夏バテ防止!~薬膳でさらに健康に~

7月14日(火)、神戸市シルバーカレッジ(北区しあわせの村)で公開講座が開催され、約300人が参加した。(主催/神戸市シルバーカレッジ)
神戸市シルバーカレッジは、市内在住の57歳以上を対象にした生涯学習機関。健康、国際、エコ、芸術の4つのコースがあり、多彩な授業を受講できる。また、同カレッジのモットー「再び学んで他のために」を実践するため、ボランティア活動を通して地域貢献にも取り組んでいる。公開講座は一般市民も対象に、60~70歳代に有益なテーマで年間10回ほど開催。今回は一般社団法人日本フード&ヘルス協会代表理事の渡部美智余さんの講演が行われた。
テーマは「薬膳」。古典医学書によると薬膳とは、中医学理論に基づき、疾病の予防・回復、健康を保つために作られたおいしい料理のこと。「食べる人の体調・症状を考え、その人に合った食材を使って作るのが薬膳料理」と渡部さんは説明した。冷え性には温める料理、便秘には潤腸料理、浮腫には利水料理など、食材が持つ薬膳的効能を活かして調理する。
体を冷やす食材〈陰〉と温める食材〈陽〉の例では「桃は体を温めるので熱が出た子どもに桃の缶詰を与えるのは逆効果」「〈陽〉の生姜は皮の内側に栄養素が含まれているので、よく洗って皮ごと使うのが効果的」「蕎麦は〈陰〉の食材で温かくても体を冷やすので注意」などと紹介。
薬膳の視点から食材を分析すると、米は温熱性や寒涼性のどちらにも偏らない平性でバランスが良い食材。補中益気(ほちゅうえきき・胃腸の働きを整えながら『気』を補う)、除煩渇(じょはんかつ・イライラを取り除き心を静める)などの効能を持つ。参加者に朝食は何を食べたか渡部さんが尋ねると、8割ほどがパンと回答。「朝はご飯を食べて、パンは10時のおやつに!」と呼びかけ、うるち米をおすすめした。小豆も平性なので固ゆでした小豆と一緒にご飯を炊くのも良いという。
さらに中医学で万物を5つの要素に分類する五行説(ごぎょうせつ)の〈木・火・土・金・水〉を薬膳では〈春・夏・長夏・秋・冬〉の五季にして考えるという。夏は5~6月、長夏は7~8月で、「五色」の分類では赤と黄色、「五味」の分類では苦味と甘味がその季に当たる。参加者にそれぞれに当てはまる食材を発表してもらい、これらを使った今夜のメニューを考えましょうと渡部さん。するとゴーヤチャンプルーやチキンライス、ばら寿司、ラタトゥイユなど会場から多くのメニューがあがった。
最後に薬膳の大切な考えである「未病先防(みびょうせんぼう)」「防既進行(ぼうきしんこう)」について説明。渡部さん自身が薬膳に出会って肩こりや片頭痛、めまいが治り30㎏以上の減量に成功した経験から「薬膳を学ぶことで自分の体質を知ることができ、さらに自分や家族の健康を守ることにも繋がる」と締めくくった。
広報紙を見て参加した須藤德子さんは「教えてもらった夏におすすめの食材をバランスよく食べて、暑い夏を乗り切りたい」と話した。同カレッジ芸術コース食文化専攻の濱口理彦さんは普段から料理をするそうで「五行説を参考に季節の食材を組み合わせてみようと思う。レパートリーが増えそう!」と声を弾ませた。シルバーカレッジ事務局の池田頼信さんは「定員を上回る応募をいただき、関心の高さがうかがえました。豊かに暮らすヒントとなる学習の場を一般の方にも提供したい」と公開講座の盛況を喜んだ。