名谷出身 現役東大生レーサー 新原 光太郎さん

東京大学に在籍し、ホンダフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の育成ドライバーとしても活躍する名谷出身の新原光太郎さん(21歳)。昨年はフォーミュラカーの若手の登竜門〈FIA-F4〉のカテゴリーでランキング4位の好成績を残した。今年はF3へと昇格し〈全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(以下略SFL)〉に参戦。並行して、車の仕様やレース方式が異なるモーターレース〈スーパーGT(GT300)〉にも挑戦する。大学の卒業がかかる年でもあるが、学業よりも今しかできないレースを優先させたいと、熱い想いを語った。
今年、新原選手が参戦するレースの一つ〈SFL〉は、3月末に開幕し、チーム〈B-Max Raceng with HFDP〉より出場。登録ドライバーは1人、年間6大会18戦のレースが組まれ、獲得ポイントでシリーズのランキングが決まる。距離の設定は大会ごとに異なり65km〜100km。 もう一つの〈GT300〉は4月に開幕。〈アップガレージ〉から出場する。2人のドライバーが交互に1台の車に乗り、交替の際はエンジニアの作業時間もタイムに含まれるという、よりチーム力が問われる競技となっている。年間8大会あり、今年はそのうち6大会が300kmレース、2大会が3時間レースの予定。
また、車両の違いは〈SFL〉ではレース専用の規格に沿って開発された、タイヤが剥き出し(オープンホイール)の車両「フォーミュラカー」を使用。スーパーGTでは、長距離を高速に移動できる市販車のGTカー(グランド・ツーリング・カー)をベースとした競技車両が用いられる。
レース数だけでも昨シーズンの倍以上に増えハードになり、新原選手は「F3ではコーナーを曲がる速度も上がるため腕や首の筋力トレーニングが不可欠」と話す。直線コースで出る最高速度は250~260km。〈GT300〉のレースではさらに速く最高270kmにもなるという。想像もつかないスピードだが、恐怖は感じないという。「レースのためだけに作られたコースを走るため怖さはない。一般道を走る方が歩行者が出てくるかもしれない怖さがあるのでは」。
レースでは、タイムのみを競う予選はできるだけ早く1周を回って帰ることに集中する。順位を直接争う決勝では後方からの車を確認したり、ピットに入るタイミングを見計らったり、戦略を練る必要も出てくる。スタート前は緊張するが、1~2年前からは深呼吸したりリラックスして、適度な緊張感を持ってレースに臨めるようになったという。
集中力は学業にもいかんなく発揮されている。在籍する経済学部の単位は出席数ではなく試験の点数で取得できるため、試験の1~2週間前にまとめて時間をつくり、2~3日しっかり勉強するのだそう。多忙な中の休みの日には「トレーニングをしたり、チームの工場に出向いてエンジニアやチームの方と話し、レース以外でもコミュニケーションを取るようにしている」と、レーサーとしての熱意が日々を充実させている。
4月25日(土)にオートポリス(大分県)で開催された、SFL第4戦で見事初優勝を飾った新原選手。不安定な天候の中、予選で最速タイムを記録し、自身初のポールポジションを獲得。トップを維持したままレースを終えることができた。しかし、ドライバーは1年単位の成績で評価され、1つのレースに勝っても喜べない。結果が残せなければ枠から外される厳しい世界。ホンダの育成選手に選ばれることも狭き門だが、目標はF3からF2に、育成からプロとしてレースに参戦すること。ホンダの看板を背負って一番手のドライバーになりたいと穏やかな口調の中に強い意志を表した。
「名谷は住みやすいまちです」と笑顔で語る。子どもの頃には、祖母が入っていた老人会の冬の行事で「火の用心」に参加した。練り歩いた後、公園でみんなでおでんを食べた思い出がある。「地域の皆さんにももっとフォーミュラカーやレースの面白さを知ってもらいたい。いつか地元でフォーミュラカーの凱旋パレードができるような選手になりたい」と夢を掲げた。
公式HPはコチラ→https://www.kotaroshimbara.com/
