太山寺 森のマルシェ

3月20日(金・祝)、太山寺奥の院(西区伊川谷町前開)にて、西区の豊かな自然や森林の魅力に触れる「森のマルシェ」が行われ、約350人が訪れた。 (主催/西区地域協働課 伊川谷出張所)
太山寺は神戸市で唯一の国宝である本堂や重要文化財の仁王門を有する由緒ある寺院。その奥の院にある森林一帯は原生林(県指定の天然記念物)であり、行政と地元の有志によって市民が散策できるよう一昨年から整備が進められている。 本堂奥にある伊川に架かる朱塗りの閼伽井橋(あかいばし)を渡ると、稲荷舎・地蔵堂があり、周辺には原生林がある。今回のマルシェはその遊歩道ルートと広場に8つの団体がブースを出店し、来場者を迎えた。
神戸市経済観光局農政計画課のブースでは鳥獣対策について呼びかけがあった。イノシシは平地から山地の広葉樹林に棲んでおり、水場が近い所を好む。本来警戒心が強く、とても臆病だが、エサを求めて人里に降り、農産物への被害が発生している。放棄果樹や野菜くずの投棄をなくし、人里に誘引しない対策が勧められた。子どもたちにも知ってもらおうと、アライグマ、イノシシ、ハクビシンのターゲット(パネル)をフープで捕獲するゲームが行われ賑わった。
神戸大学保全生態学研究会は森歩きツアーを開催。約30分かけ、原生林と近年まで人の手が入っていた雑木林の植生の違いや炭焼き場跡を見て回った。応用植物学・森林資源学を専門とし、2004年からこの地域の原生林について調査を続けてきた石井弘明教授は「原生林の中にある木の1つずつに番号をつけ、観察を続けています。貴重な原生林が今後も残せるように、管理していきたいです」と話した。
広場中央では、奥の院の再整備を手伝った地元の有志が参加者とともに丸太で階段をつくるワークショップを行った。広場に下る坂道に階段をつくろうと、まずはスコップで斜面を整地。そこに森から切り出した丸太を置いて、丸太と斜面の隙間に石や土を入れ固め、ずれないように杭を打って完成。丸太には子どもたちが達成感いっぱいの表情で名前を書き込んでいた。
株式会社ツリーワークスのブースではツリークライミング体験ができた。同社は楽しみながら樹木を身近に感じ、自然を大切にする心を育むプログラムを提供している。参加者はギアとヘルメットをつけ、真剣な表情でロープの使い方などの説明を聞き、いざクライミングへ。最初は緊張した表情で恐る恐る登っていた子どもたちも、コツを掴んでクライミングを楽しんでいた。初めて挑戦した楠本啓さん(7歳)は「足にかけたロープを引っ張るのが難しかったけど、楽しかった」とうれしそうにしていた。同社代表の塚本潤さんは「ツリークライミングを通して木と友達になってもらい、森の良さを知ってもらえたかなと思います。未来の子どもたちにも木を残してあげたいです」と話した。
午後からは、木材の利用方法や木を育てるための森林管理について、トークイベントが開かれた。
区の担当者は「今回、初めての試みでしたが、予想を上回る方にお越しいただきうれしいです。身近にある自然を知って、楽しんでいただければ」と語った。