地域の〈孤独・孤立〉に向き合う包括連携協定

3月24日(火)、西区役所(西区糀台)4階大会議室にて、神戸市西区、神戸市社会福祉協議会、兵庫ヤクルト販売株式会社の3者による「包括連携協定締結式」が執り行われた。
包括連携協定とは、地域が抱えるさまざまな問題の解決を目指して、自治体と民間企業が協力関係を築く取り組みのこと。この度、神戸市西区、神戸市社会福祉協議会、兵庫ヤクルト販売株式会社は、相互の人的・知的資源を活用し、孤独・孤立などの地域問題解決に取り組むための包括連携協定を結んだ。同締結式では具体的に展開される取り組みの3本柱が紹介された。
1つ目は「コミュニティナース事業」。これは個人宅を商品のお届けで定期的に訪問するヤクルトレディが、利用者の小さな変化に気がついた際、コミュニティナースにつなぎ、心身社会の健康や地域とのつながりを支援するもの。小さな変化とは、商品代の間違いが増えたり、普段と様子が違うといったことで、継続的な関わりにより、気づきにくい認知症の初期症状の発見や孤独・孤立の予防に繋がることもある。
2つ目は「住民のお困りごとへのサポート」。これは行政サービスでは解決できない電球交換や家具移動など日常生活でのちょっとした困りごとを民間サービスで補完する事業。同社で昨年9月からスタートした「まごころサポート」では庭の簡単な手入れ、料理代行、病院の付き添いなどを依頼できる。
3つ目は、ヤクルトレディの拠点となるヤクルトステーションを活用した、地域住民間の交流イベントの開催。コミュニティナースによる健康相談や測定会など、多世代での交流が期待できる。
締結式に参加した兵庫ヤクルト販売株式会社代表取締役の阿部恭大さんは「創立70周年の年に3者での協定ができたことに感謝しています。一番の目的は孤独・孤立の予防です。孤独はタバコを1日15本吸うのと同等の悪影響を心身に与えると見聞きしました。〈ほっとかへん〉をテーマに多くの顔が見える関係性を築き、社会課題の解決に取り組みたい」と話した。
西区長の豊永太郎さんは「兵庫ヤクルト販売株式会社にはこれまでも高齢者の見守り支援などで協力をいただいてきました。今回の包括連携協定においてさらに幅を広げて地域への良い効果をもたらすことができるよう、昨年から内容を調整してきました。日常的に地域住民と接する機会が多いヤクルトレディやコミュニティナースの方に助けていただきながら、連携して地域をサポートしたい」と語った。
西区社会福祉協議会の会長、井上智津子さんは「兵庫ヤクルト販売株式会社は以前から地域貢献に関心を持っていただき、寄付などご支援をいただいてきました。社会福祉協議会が持つ地域ネットワークを活かし、連携しながら、地域の健康づくりを目指したい」と話した。
3者は各協定書にサインを済ませると、にこやかに協定書を掲げ微笑んだ。協定締結にあたり調整を続けてきた西区地域協働課の担当者は「3者で相互に連携し、高齢者の孤独や孤立予防の推進に加え、行政サービスでは解決できない日常生活の困りごとへの対応など、それぞれの強みを活かして地域課題に対して取り組みを進めてまいります」と話した。