若い世代がつなぐ生物多様性の未来

(上)県立明石北高校の発表
「若い世代がつなぐ生物多様性の未来」と題した生物多様性フォーラムが3月8日(日)、中央区民センター(中央区東町)で開催され、約150人が参加した。(主催/神戸市、明石市)
同フォーラムは、神戸市と明石市が共同で開催しており、今年で3回目となる。久元喜造神戸市長と丸谷聡子明石市長を迎え、神戸山手グローバル中学校高等学校(中央区)、県立明石北高等学校(明石市)、県立御影高等学校(東灘区)環境科学部の生徒たちが生物多様性の問題への取り組みを発表した。
丸谷明石市長は、今年1月18日に明石市は「水とみどりでつながるあかしネイチャーポジティブ宣言」を表明したところだと話した。ネイチャーポジティブとは、日本語で「自然再興」を意味する。生物多様性の損失を止め、さらには回復を目指し、持続可能な暮らしや社会経済を実現していくための重要な考え方だという。久元神戸市長は「神戸市と明石市は陸地で繋がっているので、生物多様性を考えるうえで一緒に取り組んでいくことが大切である」と話した。
はじめに発表を行ったのは、神戸山手グローバル中学高校。同校は神戸市立相楽園の協力を得て、「ニホンイシガメ」の研究に取り組んでいる。近年日本固有の在来種二ホンイシガメは外来種によって生息域を奪われ、準絶滅危惧種に指定されている。「二ホンイシガメの保全と域外飼育及び環境DNAの研究」として、相楽園での外来種のミシシッピアカミミガメの駆除や、保全の啓発活動と経過を発表した。
県立明石北高校は、「地域の生物多様性を守る探求活動と環境教育」と題した発表を行った。特定外来生物の「クビアカツヤカミキリ」の状況を把握、防除を行うため、高校の周辺の石ケ谷公園や石ケ谷墓苑内のソメイヨシノやウメの樹木をナンバリングし、被害が出た時にできるフラスを目印に調査を行った。クビアカツヤカミキリとは外来昆虫で、繁殖力が非常に高く、バラ科の木を好み、幼虫は樹木の内部を食害しながら成長する。食害が進むと樹木が枯死してしまうため、被害が懸念されている。2023年度より近隣の小学校へ環境教育も実施している。地域の子どもたちに研究成果を伝えることで生物多様性に興味を持ってほしいと語った。
県立御影高校環境科学部(通称/キノコ部)は、キノコなどの菌類を研究している。六甲山系で採取したキノコを標本にし、さまざまなイベントに参加することで、生物多様性の大切さを多くの人に啓発する活動について説明した。
発表の後は、各校から2人ずつ参加しグループディスカッションが行われた。会場からあがった「これから自然保護でどのような活動をしていきたいか」という質問に、神戸山手グローバル中学高校の代表者は「カメの活動を通して、ネットやテレビの情報だけでなく、現場で物事を判断することが大切だと伝えていきたい」と意見を述べると大きく頷く参加者も。
丸谷明石市長は「明石公園のような自然あふれる環境があることは素晴らしいと思う。外に出て触れ合うことのできる自然が増えてほしい」と話した。神戸市環境局自然環境課の担当者は「街中にも地域の特性にあったビオトープを作ったり、環境教育では、企業や小学校に環境教育の専門家を派遣しやすくするシステムを構築するなどを進めている」と締めくくった。

神戸山手グローバル中学高校の発表

県立御影高校 環境科学部の展示