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須磨区

須磨の自然の未来を語ろう会

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2月1日(日)、須磨区役所2階健康教育室(須磨区大黒町)にて、須磨区で自然に関わる活動をする団体等が集まり交流するイベント「須磨の自然の未来を語ろう会」が開催され、約100人が参加した。 (主催/須磨FRSネット)
主催の須磨FRSネットは須磨区内の山や森(Forest)池や川(River)海岸や海(Sea)を舞台に活動している18団体が連携し、多くの人々が自然に触れ、学べる場づくりに取り組み、須磨の自然環境を次世代に繋ぐ活動をしている。

基調講演では吉備国際大学農学部(南あわじ市)教授で流域保全学・応用生態学などを専門とする布川雅典さんが「須磨の森・川・海のつながりを生物から見てみよう」と題し、須磨の自然を解説した。山に降った雨が集まり川を経て海へ至る範囲を流域と呼ぶ。須磨区の妙法寺川流域の地理的、地質学的特徴、水害リスク、流域全体の環境保全について紹介し、近年の気候変動による山火事リスクの増大や都市河川のコンクリート護岸では自然な生態系が失われていることが課題として挙げられた。また、森林と河川生物、河川における水生生物の生息環境・遡上環境、川から流出する物質と森・海の関係について、北海道における研究事例を紹介した。

次にFRS加盟団体による活動報告が行われた。〈須磨白川有機の会〉は里山を守る、農を楽しむ、食を楽しむ、地域と交わるの4つを目的に活動している。竹が侵入した人工林、混合林の整備にも取り組み、竹林を放置すると周囲の樹木の健全な育成を阻害すること、林床の日照量の低下は生物多様性を妨げること、山の斜面の保水力の低下が土砂災害の発生を招く恐れがあることなどから適切な整備と管理の重要性を訴えた。また、伐採した竹を粉砕した竹パウダー・竹炭を、堆肥作りや土壌改良に活用し、資源として循環させる取組みを紹介した。

〈天井川を美しくする会〉は毎月第4日曜日に須磨区文化センター(中島町)から天井川憩いの広場(水野町)までの約1.5㎞の区域の清掃活動を行っている。天井川の環境悪化は単なる景観の問題に留まらず、水質低下による生態系への悪影響、ゴミや堆積物により増水時の氾濫リスクが高まり、地域住民の安全が脅かされる恐れもあると話した。時代によってゴミの種類が変化していることにも触れ、プラスチック製品、DVD、電子タバコなど水に溶けないものが増えていると話した。発表した住本誉さんは「清掃活動は大切ですが、それと同時にごみを捨てさせない環境を作ることが重要です。地域全体の意識改革と仕組みが必要」と語った。

〈須磨里海の会〉は須磨海岸の生態系を豊かにと活動している。ブルーカーボン(沿岸・海洋生態系が光合成により二酸化炭素を取り込み、その後海底や深海に蓄積される炭素のこと)としてアマモ場を作る活動では、アマモの種まきを行い、成長の状況を記録している。高い炭素貯留能力を持つ海草(うみくさ・アマモなど)や海藻(うみも・コンブやワカメなど)を増やすことで、地球温暖化の抑制に寄与すると話した。次世代の子どもたちに「自然の作用を理解し生態系を生かす」ことを伝えるため里海教室も開催している。

日頃、山や森で活動することが多いという上野大さん(須磨区)は「森・川・海のつながりについて勉強になりました。須磨海岸での活動についてなかなか聞く機会がないのでありがたかったです」と話した。

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