みんなが知れば、必ず変わる。未来をつくる種を蒔く

1月24日(土)、垂水年金会館大ホール(垂水区平磯)で、メディアリテラシーをテーマとした「谷口たかひさ講演会」が開催され、130人が参加した。 (主催/対話まちづくりプロジェクト垂水須磨)
1988年生まれ、環境活動家の谷口たかひささんは大学在学中にインターネットビジネスで留学費用を捻出し、イギリスへ留学。卒業後、ギニアでの学校設立、メガバンクなどのコンサルタント、グローバルIT企業の取締役を経験。その後、プラスチック問題や、貯蓄より消費・循環を促す地域通貨に取り組むためドイツへ移住し起業。現地で環境問題の学生デモを目の当たりにした谷口さんは、自らも発信しようと2019年より講演を始めた。国連のスピーチから学校・地域の講演会まで、世界中で2000回を超える活動実績を持っている。 今回はメディアリテラシーに焦点を当てた内容で、谷口さんはまず、世界的に見た日本の報道は「報道の自由度が低く閉鎖的」と評価されていることを紹介。自分が日頃触れている多種多様な情報の中に真実ではない情報が含まれていたり、偏った情報にしか触れていない危険性を訴えた。その上で、メディアを安易に信用しない考え方を学ぶワークショップを行った。
一つ目は「フェイクニュースを作ってみよう」。8人のチームで3択問題(2つが真実、残り1つはフェイクの情報)を作り、ほかのチームを多く騙したチームが勝ちというゲーム。あるチームは「兵庫県が日本で1番の生産量を誇るものは?①海苔②日本酒③玉葱」という問題を考えた。 フェイクは③。いかにも真実であるような嘘の情報を考えることで、騙す側の心理を体験した。
また、脳の偏りをほぐすため「15歳まではSNSを禁止した方がいい」というテーマについて、ディベート(討論)を行った。通常のディベートと違う点は、自分の主張と反対の意見で議論すること。このことにより、自分とは反対の意見を持つ人の言い分を推し量ることができ、対立ではなく対話の気持ちを生む効果がある。
メディアには情報を早く知れたり、つながりを感じやすいという恩恵がある反面、フェイクニュースもあり、メンタルヘルスへの悪影響も懸念される。ネガティブ思考、偏り思考、スマホ依存、比較思考、ルッキズム、狂暴化などさまざまな問題に陥りやすい中、メディアを上手に利用する方法を心がけることが重要となる。そのポイントとしては「最初は信じないこと、情報源の質を見極めること、反対意見を調べること、自分で判断し、責任を持つこと」が挙げられた。
大学院で国際理解教育を学ぶ北川航次さん(垂水区)は「将来、教育現場で今日のワークショップを実際に子どもたちと行ってみたい」と意欲を見せた。また「講演を聞いて、自分自身がネガティブニュースに振り回されていたことに気付いた」と語る参加者もいた。 主催の一人である中村力さんは「今回の講演は一人の垂水のママさんが地域の他のママにも是非知ってもらいたいと、ファミレスで3人だけの作戦会議をしたところから始まりました。10人くらいしか集まらないかもしれないけど、とりあえずやってみようと動いたら、130人集まってくれました。今日の講演をきっかけに社会に関心を持っていただき、一人ひとりがアクションを起こし、よりよい地域になればうれしいです」と地域の未来に期待を寄せた。

企画メンバーと谷口さん(中央)