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須磨区

離宮月見の宴

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10月4日(土)神戸市立須磨離宮公園(須磨区東須磨)で、「第37回離宮月見の宴」が開催された。(主催/神戸市立須磨離宮公園)

当日は天候不良のため中止になったプログラムもあったが、800人以上の来場者が訪れ、茶会や音楽ステージを通して月見の風情を楽しんだ。
同園の月見の名所としての歴史は古く、「源氏物語」の主人公である光源氏のモデルとされる平安時代の貴族・在原行平が名月を愛でた場所だと伝わる。在原行平が月見をした松があったという跡地には現在は碑が建てられ、月見台と呼ばれている。公園から望む月は日本百名月にも選ばれている。

植物園の和室で茶道裏千家相和会による「月見茶会」が行われ、100人以上が参加し、静かな時間を楽しんだ。お茶請けとして西区の和菓子屋「宝屋」のうさぎ模様の上用饅頭が出され、雰囲気を盛り上げた。

ステージでは一絃須磨琴保存会が優美な琴の演奏を披露し、観客はうっとりと耳を傾けた。須磨琴(一絃琴)は、一枚の板に一本の絃を張っただけの極めて素朴な楽器で、在原行平が作り出したという伝説がある。一絃須磨琴保存会は須磨琴の発祥の地・須磨に、伝統をよみがえらせ守り育てる目的で、昭和40年に発足。昭和60年には地域文化に対する功労を認められ、文化大臣賞を受賞している。11月15日(土)には神戸文化ホール中ホールで60周年記念演奏会を開催予定。
当日は、おめでたい曲『松に寄せる祝歌』、恋心を歌った曲『うすずみ』、『青葉の笛』を含む4曲を演奏した。『青葉の笛』は平清盛の甥、敦盛が一ノ谷の戦いで熊谷直実に討たれた際に身に着けていた竹笛を題材にした曲で、この笛は須磨寺宝物館に展示されており、見学することができる。同会副代表の小池美穂さんは、須磨琴の魅力について「木そのものの音が出るので、表現が無限大にあるところです。単なる楽器というより、自分と向き合うものになっています。弾き手の精神状態で音がまったく変わります」と語った。須磨琴は、高倉中学校では部活動として、西須磨小学校、北須磨小学校、東須磨小学校でも地元文化を継承する目的で授業が行われている。

須磨海岸で活動するフラダンスチームの「Hale Suma」は歌、古典フラ、現代フラの合わせて9曲を披露。ハワイ語では月は「Mahina(マヒナ)」と呼ばれ、夜の守り神のような存在で月の満ち欠けは成長、再生、変化を象徴しているという。美しい庭園を背景にした幻想的なダンスに、観客は引き込まれていた。主宰の浜口香さんは「ハワイではフラは文字ではない方法で後世に想いを繋ぐためのダンスとして受け継がれてきました。動きの一つひとつに意味があります」と話した。

須磨離宮公園の渡邊蒼さんは「今年は天候により中止も考えられましたが、無事開催することができ、よかったです。ステージイベントの最後には奇跡的に月が見られ、素晴らしい月見の宴となりました」と宴の成功を喜んだ。


月見茶会


一絃須磨琴保存会が琴の演奏を披露


フラダンスチーム Hale Suma

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