ワールド・ワイド・マッピングプロジェクト

9月28日(日)、西区役所5階地域活動支援コーナー(西区糀台)にて、地域活動の担い手を発掘するプロジェクト「神戸市西区ワールド・ワイド・マッピングプロジェクト」の第2回講座が開かれた。(主催/神戸市西区地域協働課)
同プロジェクトは西区の多自然エリアにある「地域の共有資源」を丁寧に掘り起こし、その価値を見つめ直しながら、地域活動の担い手を育むことを目指している。参加者が将来的に自ら地域活動を企画・実践できるよう、自分の視点や経験と地域資源を融合させて新たな地域活動を生み出すプロセスを、7回の活動を通して学んでいく。ゲスト講師を迎えた活動と、地域資源を掘り起こすためのフィールドワークを行う予定で、情報収集と地元の人との関係づくりも目指す。来年2月に予定されている最終回では今後の活動アイデアをプレゼンテーションし、仲間を増やして次のアクションへ進むというプログラムとなっている。
第1回の活動では西区でやってみたいことや地域の課題を考え、共有した。同日は第2回、「持続可能な地域のつくりかた」をテーマに、fascinate株式会社代表で「最愛ブランド戦略構築家」の但馬武さんを迎えて学んだ。但馬さんはパタゴニア日本支社にてダイレクトマーケティング部統括を含め19年勤務した後に独立、「愛される企業の創出」を目的としたコンサルティング業の同社を設立。顧客とスタッフから熱く支持されるための組織醸成、事業・マーケティング戦略づくりに伴走している。
活動はまず4人ずつのチームに分かれ、自己紹介、参加動機を共有した後、20枚のA4コピー紙で制限時間内にどれだけ高い塔を建てられるかを競うチームビルディングゲームから始まった。チームでコミュニケーションを図り、1つの目標に向かって取り組む体験が凝縮されている。次は付箋に「今日はこんな時間にしたい」「こんな悩みを抱えている」など各々が書いたものをホワイトボードに貼り出し、その中で自分も共感できる意見に1人2つ印をつけ、個々の思いを出し合った。
その後、但馬さんの講義では難しい課題解決をどう捉えるか、事例がいくつか紹介がされた。その一つは「地球を救うためにビジネスを営む」を企業理念に掲げるパタゴニアでは、環境問題の解決を目指す創業者の想いを顧客にまず明確にして、相手の心に残る取組みや製品開発、接客を心がけていたというもの。新しい商品を購入しに来店した客にも、今持っているものをリペア(修理)して使うことを勧める。ユーズドの物を使うことは「かっこいい」という意識を持ってもらうことがゴミを減らすことに繋がり、環境問題の解決に一歩近づく。これを「穏やかな革命」と捉えていたと話す。
参加した岡本万希さん(西区月が丘)は「地域課題の解決について固く考えていたが、好奇心と情熱が人の心を動かすことがわかり、今後のヒントがたくさん聞けた」と喜んだ。但馬さんは「自分がやりたいことをやっていれば世界は変わっていきます。頑張ろうと気負わず、自分が何に好奇心を持っているか、本当にやりたいことは何かを見つけて、取り組んでもらえたら」と参加者にエールを送った。

「最愛ブランド戦略構築家」の但馬武さん

チームビルディングゲームの様子