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第16回 こうべユニバーサルデザインフェア

3月17日(日)しあわせの村温泉健康センター体育館(北区しあわせの村1ー2)にて「こうべユニバーサルデザインフェア」が開催された。

(公財)こうべ市民福祉振興協会では、年齢・性別 ・文化・国籍や民族・身体の状況など、人が持つ個性や違いを超えてお互いに多様性を認め合い、すべての人が持てる力を発揮し支え合う「ユニバーサル社会」の実現に向けユニバーサルデザイン(UD)の推進に取り組んでいる。同イベントはUDの考え方を広く伝えるための交流の場として毎年開催。

UDに取り組む企業や地域団体、学校など55団体が出展。衣食住をテーマとした取り組みの展示やUDを五感で体験できるブース、福祉機器の展示などが並び、ステージでは「色を楽しむ」をテーマに、UDファションショーやクラウン(道化師)ショー、参加型パフォーマンスのプログラムが楽しめた。

車イス用ひざ掛け

「毎日の暮らしの中で、あればいいなというもの」という思いから生みだされた自助具(福祉用具)の展示では、用具作成に関わった深田隆さんと福本詳万(あきかず)さんが「ひとが用具に合わせるのではなく一人ひとりのニーズを考え『人に合わせる』ことで〝出来ないことを出来ることにかえていく〟」と話し用具を紹介した。車いす用のひざ掛けは、日常的に車いすを利用する視点から、ひざ掛けがずれることなく車輪に巻き込まれないよう、装着しやすいようにとアイディアが生かされている。「簡単にとりつけ出来て暖かそう。高齢者のお出かけ用にもいいですね 」と見学していた市内在住の女性は関心を示した。

点字体験

簡易型点字板

体験コーナーでは、しあわせの村の点字講習会を修了したメンバー「点訳サークル・シックスポインツ」が簡易型の点字板を使って行う体験ブースを担当。点字は一つの文字を6つの点の凹凸で表す。「普段は依頼のあった絵本の点訳活動が主です。学校に赴き点字の出前授業も行っています」と話すのは浅野篤江さん(神戸市)。北区聴力障害者福祉協会のブース「ミニ手話教室」では、あいさつの表現や自分の名前、絵カードを見ながら食べ物などを表す手話などが体験できた。

ミニ手話教室

UDファッションショー

プールの帰りに寄ったという北区の男性(70代)は、シャンプーのボトルのギザギザの加工を例にとり「UDとは知らずに日常で使っている物もあり、改めて普通に生活の中に溶け込んでいるんだなあと思いました」と話し、話題になった東京オリンピックのピクトグラム(絵文字)について、「あれもUDなんですね」と興味深く展示に見入っていた。

〈ユニバーサルデザイン(UD)〉は、障がいの有無・年齢・性別・国籍に関わらず誰もが利用しやすく、暮らしやい社会となるようまちや建物、もの、しくみ、サービスなどを提供していこうという考え方。対象を障がいのある人に限定していない点がバリアフリーと異なる。

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