ATSUMARU講座 地域活動デビューコース(須磨区役所)

須磨区役所(須磨区大黒町)で、7〜8月に地域活動を学ぶ「ATSUMARU講座 地域活動デビューコース(全7回)」が開かれ、21人が受講した。(主催/須磨区役所)
同講座は地域活動に関心を持った人が「何からどんな風に始めれば?」と〝はじめの一歩〟を、実際行われている地域団体の活動に触れながら知る初心者向けのコース。6回までの講座では、須磨区内のさまざまな地域団体の活動について話を聞いたり、実際に現地での活動体験もできた。その一つが「須喜磨会」の協力のもとで行われたゴミ拾い体験。
取材日の8月27日(水)は7回目(最終回)で、講座で得た学びをもとに自分のまちを見つめ、自分の関わり方について想いを出し合う構想ワークを行った。
ワークはチームごとに①自分の種を見つける②地域に目を向ける③関わり方のカタチを描く④もしこのグループで活動したら?⑤私の地域活動の順に進められた。「須磨の魅力を活かしながら、無理のない範囲で仲間づくりや学びの場を作りたい」「楽しく交流しながら街をきれいにする散歩型のゴミ拾い・交流活動がしたい」「須磨の山側やローカルな店の魅力を発信し地域の利益につなげたい」など活発な発言があった。
受講生各自が自分の好きなこと、得意なことで、地域とどう関わることができるか、どんなことをやっていきたいかを1枚のシートにまとめ、ボードに展示した。シートには、ほかの受講生や過去の同講座卒業生からのメッセージが付箋で貼り付けられ、想いを共有した。
アートとビーチクリーンに興味がある成田弘子さんは、8月に開催したイベントついて報告した。須磨海岸でゴミ拾いを行った後に、拾った貝殻に絵を描いたり、廃プラスチックから花やイルカのアクセサリーを作ったりする体験を行ったという。「楽しみながら環境問題を身近に感じてもらい、アップサイクルを通して環境の大切さを学んでいただける時間になったと思う」と語った。
インテリアコーディネータ―の花輪宏美さん(須磨区)は、須磨区大手町にある大正時代の古民家をDIYワークショップで再生させ、「みんなの縁側」として地域住民が集まるスペースにしたいと提案。「ひょんなことから、素敵な古民家に出会うことができました。DIYを一緒にやってくれる仲間を見つけて、ゆくゆくは自分の楽しいことで地域がゆるく繋がり、老後のライフワークになるといいなと思っています」と話した。
ほかにも子ども会の再生・復活を目指したいという受講生や、子どもと大人が同じ空間で何かを作る取組みがしたいなど、受講生一人ひとりが自らの一歩を踏み出す小さな芽を見つけ、イキイキと発表していた。
講師の合同会社Oniceの森田順子さんは「昔に比べて、地域がよくなることをしようとする人に対する世間の見方が優しくなってきているように思います。今回、講座に参加されたことで地域の人の願いを知り、共鳴、共感し合ったことで、互いを後押ししながら、今後の活動の小さな1歩を踏み出してくれるとうれしいです」と受講生の活躍に期待を込めた。
※アップサイクルとは…廃棄物に手を加えることで新たな付加価値を与え、より価値の高いものに生まれ変わらせること。

講師の森田順子さん