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育英高校男子卓球部 全国総体準優勝

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育英高等学校(長田区長尾町)男子卓球部が、7月30日(水)~8月4日(月)まで山口県で開催された「令和7年度全国高等学校総合体育大会卓球競技大会」において、男子学校対抗で創部初となる準優勝、男子シングルスで3年の谷本拓海さんが3位に輝いた。

これまでの学校対抗最高成績は令和4、5年連続のインターハイ3位。日本一を目指し挑んだ今大会の準決勝は大会9連覇を狙う愛工大名電高校(愛知)。1敗で迎えたシングルスではエースの谷本さん、続くダブルスでは谷本さん、西面(にしお)睦輝さん(2年)ペアが連勝。2勝1敗とし、4番手の松島翔空さん(1年)がフルゲームまでもつれ込んだ接戦を制し、決勝進出を決めた。
決勝戦は野田学園高校(山口)に1対3と敗れたが、大会時の主将である谷本さんは「悔しさよりうれしさの方が大きい」と晴れやかな笑顔を見せた。愛工大名電高校には今春の選抜大会で敗北を喫していた。「自分たちは挑戦者」と強豪相手に果敢に挑み、見事リベンジを果たした。

創部76年の伝統校を率いる就任13年目の田中雄仁監督は「一気に強くなったわけではなく一歩ずつ着実に力をつけてきた」と話すが、県総体は7連覇中で谷本さんがシングルス、ダブルスも制し3冠。近畿大会では2年ぶり3回目の頂点に立ち、現主将の西面さんが3冠を獲得。しかし全員が慢心することなく日々の練習に励んでいる。

「卓球を嫌いにならない指導」を実践する田中監督は「やらされていると感じながら続けていると卓球に興味がなくなってしまう」と練習メニューの大枠は決めるが、あとは選手たちが自由に考えている。「監督からアドバイスはあっても強制ではない」と全員が口を揃えるように、選手を信頼し、自分で考える環境を与えながら成長を促している。また実業団出身の田中監督は話すだけではなく実際にラケットを持って具体的に教えるので「分かりやすい」といった声が多く聞かれ、選手の一番近くで寄り添いながら個々の力を引き出す指導を行っている。

卓球部は須磨区の同校第2グラウンドに冷暖房完備の専用練習場を持つ。8台の卓球台が常設されているため、部員全員が順番を待つことなく一斉に練習に取り組めるという恵まれた環境も強さを後押しする。また、練習場が学校から離れているため「練習後の自主練はできないが、限られた時間の中で集中して取り組めている」と西面さん。
朝練では週4日、同校裏にある高取山の山頂を駆け上がり下半身を徹底して鍛えた。谷本さんは「毎回全力で走り切っているので忍耐力と継続力がチームの強み」と胸を張る。西面さんは「体幹や足腰が強くなり体がブレなくなった。瞬発力がついた」と効果を実感する。地区予選で多い時だと1日8試合ほど行われるそうだが、最後まで戦い抜ける基礎体力も兼ね備えている。

部員同士の仲が良くみんなで遊びにいくことも多いという。日常会話から卓球のことまで、とにかく全員でよく話している。試合では「テンション高く応援してくれるので盛り上がるし、みんなの声援が力になる」とうれしそうに話す谷本さん。強くなりたいと全員が努力を怠らず、切磋琢磨できる仲間とともに積み重ねてきたチームの勢いは止まらない。西面さんは「春の選抜大会は自分が絶対エースとなってチームを引っ張り、日本一を目指す」と力強く話した。


インターハイの様子

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