神戸星城高等学校 全国高校放送コンテスト初出場!!

神戸星城高等学校(須磨区緑が丘)放送部が7月21日(月・祝)〜24日(木)にNHKホール(東京)などで開催された「第72回NHK杯全国高校放送コンテスト」全国大会に初出場した。
放送部の同コンテストへの挑戦は、これまで地区予選止まりの年も多く、また部員不足で長らくアナウンスと朗読の部門にのみ出場していたが、今春、数十年ぶりにラジオ番組部門の制作に挑んだ。テーマを阪神・淡路大震災と決め、被災者の声を取材した。
同校の前身校は神戸女子商業高校で、長田区腕塚町にあった旧校舎は震災で被災。その後、現在の須磨区に移転し、校名変更となった。震災から30年の節目であり、前身校が被害を受けた自分たちだからこそ震災を題材に番組を作る意味合いがあるのでは、と話し合った。今年1月17日、中央区の東遊園地で行われた「1・17のつどい」には部員4人とも初めて参加。現部長の土本旺直(おうな)さん(2年)は「被災者に辛い話を聞いてもいいのか戸惑いと怖さがあった」と打ち明ける。勇気を出してインタビューをお願いすると「若い人に伝えたい」と快く応じてくれた人もいた。インタビューは10代~60代まで10組にマイクを向けた。人と防災未来センター(中央区)にも足を運び「語り部」からも話を聞いた。さらに担任していた教え子を震災で亡くしたという同校教諭や熊見和祥校長にも取材した。部員の三村爽真さん(2年)は「自分と同年代の生徒が2人も亡くなったことを初めて知った」と話す。現在の校名の由来は生徒を星に例えていると聞き、星城にしかできない作品をつくろうと「星の城」を作品名にした。制作にあたり、インタビューとナレーションだけでなく「1・17のつどい」の会場で録音したろうそくの炎の音や時報など現場のリアルな音を差し込み、聞く人が飽きないように工夫を凝らした。
地区予選ではアナウンスや朗読、番組など複数部門を3年ぶりに突破。アナウンスは6年ぶり、番組に至っては23年ぶりだった。6月の県大会では「ラジオドキュメント部門」で全27作品の中から同校が1位となり、初の全国大会への切符をつかんだ。土本さんは「最後まで呼ばれなかったので少し諦めていたが、1位と聞いて驚きとうれしさが入り混じっていた」と笑顔を見せた。全国大会には放送活動を発表する「研究発表部門」でも出場を果たした。
今年4月に同校に赴任した顧問の大江真理(しんり)教諭は自身も高校時代は放送部に所属。約40年放送部の指導に携わってきた。同部の活動範囲が限られている現状を知り、部員たちに番組制作への挑戦を提案。赴任前からまずは多くの取材をこなすという課題を与えた。大江教諭は「疑問があれば調べたり取材を重ねたりすることで、さまざまなことを学べる。そして番組を作ることにより発信力やコミュニケーション力も養える」と話す。「人見知りで話しかけることさえ自分にはハードルが高かった」と笑う三村さんは「大変なことも多いけど、その分やりがいがある。今までにない充実感があって楽しい!」と声を弾ませた。
県1位となり自信を持って参戦した全国の舞台はレベルの高さを肌で感じた。「取材量も足りないし技量もすべてにおいて差を感じた。でも学びも多かった」と土本さん。大江教諭は番組制作を通じた部員たちの成長の速さに「教科書には書かれていない学びですね」と驚きを隠さない。
放送部は今春、新入生7人が入部し現在は部員10人で活動に精を出す。土本さんは「被災した高校だということを忘れずに語り継いでいきたい」と力を込め話した。
