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須磨区

須磨FRSネット 自然環境サミット2019

3月24日(日)に須磨パティオ健康館パティオホール(須磨区中落合)で「須磨FRSネット 自然環境サミット2019」が開催され、約200人が参加した。

主催/須磨FRSネット  協力/須磨区

 

FRSのアルファベットはForest(森 )・River(川)・Sea(海)の頭文字をとったもの。「須磨FRSネット」は自然環境の保全活動・啓発活動などを展開する13の地域団体によって構成されている。  今回のテーマは、近年クローズアップされている「プラスチックごみ」について。前半は京都大学の田中周平准教授による講演「マイクロプラスチックと私たちの生活」が行われた。田中准教授は琵琶湖での調査をもとにマイクロプラスチック(5㎜以下に微細化したプラスチック)による環境汚染の実態を紹介。マイクロプラスチックを水生生物が摂取することにより生態系全体への影響が懸念されている。プラスチックの年間生産量が約3億トンにも上ることからもわかるように、利便性を優先した結果環境中に放出されるプラスチックの危険性の認識がなおざりにされているのが現状であると田中准教授は指摘した。

続いてクリーンアップ関西事務局共同代表の古川公彦さんが「漂着ゴミ調査からわかったこと」と題して講演を行った。同団体は須磨海岸などでクリーンアップ作戦やごみの調査を行っている。ごみはたばこのフィルターやプラスチック破片、花火が上位を占めているが、禁煙条例や海岸での花火の禁止などの施策が一定の効果をあげている。また使い捨てを減らすなどプラスチックを自然環境に出さない社会づくりが求められ、マナー意識の改善、環境教育を行うなどの努力も必要であると古川さんは話した。

 

後半の活動発表では、主な加入団体の取り組みが報告された。「すま・はまの会」は昨年の台風20号・21号によって須磨海岸に大量のごみが押し寄せ、貴重な海浜植物が危機にさらされた際の活動について報告。現在ごみは取り除かれ、海浜植物の回復を見守っている状況だという。

西区伊川谷町から参加した金岡久仁香さんは「将来海中のプラスチックごみが魚の量より多くなるという田中准教授の話に驚いた。現代の生活にプラスチックは欠かせないけれど、安全性や環境のことも考えていかないといけないと思った」と感想を話した。 須磨FRSネットはサミットのほかに神戸まつりへの参加、須磨の自然を訪ねるウォーキングも行っている。代表幹事の伊與田安正さんは「地域の人たち、特に親子連れや学生に自然保護活動への興味を持ってもらうのが狙い。行政の支援や協力も得ながら各団体の連携を深め、活動を続けていきたい」と意気込みを話した。

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