『神戸市緑化フォーラム』vol.2

7月8日(火)に『神戸市緑化フォーラム』vol.2が「120WORKPLACE KOBE」(中央区磯上通)にて開催され、定員を超える約70名が参加した。
「行ってみよう」と、誰かを誘いたくなる公園をともに考えようと開かれたフォーラム。今回は持続可能な社会の実現やグリーンインフラの強化としても関心が高い「都市部の農」に着目。農的空間の活用を通じ、コミュニティ活性化など、現代の多様な社会課題解決について研究している東京大学空間情報科学研究センター准教授の新保奈穂美さんが、行ってみたくなる公園・緑づくりについて基調講演を行った。新保准教授は、今年3月まで兵庫県立大学・淡路緑景観キャンパス(淡路市)で教えていたこともあり、神戸はなじみのある街と話す。海外での研究をもとに、最近は「農」が街づくりに役立ち、トレンドになってきている様子をスライドに映し紹介した。街中の小さな区画で農園を作る都市型農園は、海外では移民や難民の居場所づくりになっている。また、キリスト教の墓地を農園として使う例もあると話すと、会場からは驚きの声が上がった。2016年、シンガポールでは食料自給率を10%から30%に引き上げる計画から28の公園で都市農園がつくられたという。日本の事例として、伝統野菜の寺島なすを栽培する「たもんじ交流農園」(東京都墨田区)の取り組みや、2021年に開始した平野展望公園(兵庫区)内の「平野コープ農園」の活動を解説。イベントを組み合わせてコミュニティとしての農園が役に立ち、街を良いものに変えていくと締めくくった。
神戸市建設局公園部長の奥野潔さんは、市内の使われていない公園を活用するアイデアを紹介。「ボール遊びできます看板」の設置や「バスケットゴール倍増計画」では、100カ所を目標に現在は80カ所に設置済みと話す。「こうべ菜園プロジェクト」では、今年6月から9月にかけて誰でも利用できるコミュニティ菜園を開始する生田町公園(中央区)など公園の一部を農園として活用する動きが始まっているという。
パネルディスカッションでは、久元喜造市長がファシリテーターとして参加し、前出の新保さん、奥野さんに加え、「SoooGoodながた」の西山泰さん、「兵庫駅南公園こどもフェスタ実行委員会」の河野真紀さんらパネリストが神戸市の活動やこれからの課題について意見を交わした。