第75回「社会を明るくする運動」

7月は「社会を明るくする運動」の強調月間・再発防止啓発月間。垂水区ではメイン行事として7月4日(金)、受刑者の社会復帰促進就労支援を行う草刈健太郎さんの講演と県警察音楽隊カラーガード隊による演奏会を垂水レバンテホールで開催。約250人が参加した。(主催/”社会を明るくする運動”垂水推進委員会)
「社会を明るくする運動」は、犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築くための全国的な運動。垂水区では、推進委員長を若松謙一区長が務め、62人の保護司が更生保護の活動を行っている。開演にあたって、若松区長が「垂水区は県内の特殊詐欺被害ワーストワン。垂水の皆さんは人が良すぎる。人が良いのはいいが注意してほしい」と呼びかけた。
続いて、カンサイ建装工業株式会社などの代表取締役を務める傍ら、受刑者の社会復帰促進就労支援に取り組む草刈健太郎さんによる「お前の親になったるで~妹に誓う犯罪者の更生~」と題した講演会が行われた。草刈さんは岸和田に生まれ、だんじりを通した強い「絆」の中、やんちゃな青春時代を過ごした。父が経営する会社の代表取締役になる直前の2005年、アメリカで活躍していた妹が夫に殺害された。絶望と憎しみの中にあった2012年、出所後の受刑者を雇用して社会復帰をサポートする日本財団の「職親プロジェクト」の立ち上げメンバーに誘われた。「なんで俺が犯罪者の面倒を見なあかんねん!」と葛藤したが、出会った受刑者たちは掛け算すらできず、精神年齢は(実年齢より)マイナス6歳。自己肯定感が低く、社会に取り残された子どもたちだった。草刈さんは「被害者をつくったらいかんから、加害者をつくったらいかん」という気持ちにかわり、「お前の親になったる」と全力で愛を注ぐ。噓ばかりつく、ギャンブル依存症など何度も裏切られ、犯罪者を雇っていることで3億円の仕事を失う経験もした。しかし、「更生には時間がかかるが、守るものができれば人は変われる」と信じ、寄り添い続けている。今年11月、更生した青年の言葉をきっかけに、関西にある7カ所の少年院で、公文式学習と職親プロジェクトの導入が決定した。「職親プロジェクト」は7社から全国に広がり、1300社にのぼる。草刈さんは「子どもたちには安心・安全な環境、最低限の知識と自己肯定感が必要。目を離さず、大人たちが見守り続けることが何より大切」と訴えた。
次に、兵庫県警察音楽隊カラーガード隊による演奏が行われた。まず、「365歩のマーチ」の替え歌の「サギ犯にワン・ツー・パンチ」を参加者全員で歌い、特殊詐欺被害防止の啓発を行った。その後、万博イヤーにちなんで、1970年、今年それぞれの万博のテーマソング「世界の国からこんにちは」「この地球(ほし)の続きを」など、アンコールを含め計8曲に、参加者は楽しいひと時を過ごした。
垂水区保護司会の芦田敏郎会長は「垂水区では協力雇用主会をつくり、たくさんの企業の皆さんから支援を受けている。これからも犯罪や少年非行のない明るい垂水をつくっていきたい」と締めくくった。参加した川井喜美子さん(垂水区東垂水)と田積啓子さん(同・山手)は「すばらしい活動をされていて感動しました。音楽も楽しく、いろいろと学ぶことができました」と声を揃えた。

受刑者の社会復帰促進就労支援に取り組む草刈健太郎さん

垂水区保護司会のみなさん