編集記事

西区

子どもいけばな教室

記事 子どもいけばな教室のアイキャッチ画像

 6月19日(木)、学園西町地域福祉センター(西区学園西町)で、地域の子どもたちに華道を伝える「子どもいけばな教室」が開かれ、8人の小学生が参加した。(主催/NPO法人兵庫県子ども文化振興協会 後援/神戸市・神戸市教育委員会)
 小学校1年生~高校3年生を対象に、日本の伝統文化であるいけばなを体験してもらう「子どもいけばな教室」が開かれている。月1回、年間8回予定され、この日は初回の稽古。花の名前や季節に興味を持ち、心にゆとりを持って過ごしてもらうことを目指している。講師は未生流(庵家)一般財団法人未生会館理事で兵庫県子ども文化振興協会の会員、米田さち圃さんが務める。
 稽古はまず花器、はさみ、剣山など、道具の使い方の説明があり、子どもたちの前で米田さんが解説を加えながら実際に花を生けた。この日の花は、主枝(骨組みを作る枝)にキク科ユリアザミ属のリアトリス、中間添(中間を彩る枝)に赤いバラ、根〆(足元を引きしめる枝)にかすみ草が使われた。
 それぞれの枝の長さをどの程度にするときれいに見えるか説明があり、寸法を測るビニール紐も用意されていた。また「バラは水あげが少し苦手だから、水の中で切ってあげてね。斜めに切ると弱いから、真っ直ぐに切って」と植物に合わせた枝の切り方の違いについてもアドバイスがあり、子どもたちの番となった。一人ひとり与えられた花を1本ずつ手に取り、ビニール紐で測りながら、枝を程よい長さに切り、生けていった。
 同流では基本の花型があり、この日は「逆三角」という型で生けた。これは花材を上から見た時に逆三角形に見えるよう配置する手法で、奥行きがあり、安定感と調和のとれた美しさを表現できる。ほかにも「斜め一文字」「逆斜め一文字」「山形三角」と呼ばれる花型があり、1年を通してさまざまな生け方を学んでいく。1年の講座が終わる頃にはいけばなの基本を身につけ、子どもが1人で自由に花を生けるようになるという。
 福澤美子さん(東町小5)はお姉さんが先に習っていたことをきっかけに始めたそう。後藤咲花さん(太山寺小5)は「完成した時にお花がきれいに見えるのが楽しい」と目を輝かせた。宮本紗英さんと池野真央さん(小寺小3年)は一昨年から続けての参加。保護者は「12月の年末のお稽古の際にはお正月用のお花の生け方を教えてもらい、家に飾ることができました。季節を感じることもできて、いけばなを習うことはとても良いと感じています」と話した。
 兵庫県子ども文化振興協会の副代表理事の安藤喜美子さんは「子どもたちは作品の良いところを米田先生に褒めてもらい、アドバイスや声かけをもらうことで、より素敵な作品に仕上げています」と語った。講師の米田さんは「自分の特技が協会の事業とうまく結びつき、今では人生のやりがいと感じています。昔より子どもの数が少なくなっていますが、子ども自身は変わっていません。多くの子どもにいけばなに触れてもらえたらうれしいです」と話した。
◇問い合わせ先
兵庫県子ども文化振興協会 TEL(361)1152


講師の米田さん


同じ花材を使っても仕上がりはさまざま

カテゴリー