落合池里山プレーパーク 名谷あそびの森

5月3日(祝・土)落合中央公園西広場(須磨区中落合)で、「落合池里山プレーパーク 名谷あそびの森」が開催され、新緑がまぶしいなか、周辺地域に住む子どもたちとその保護者らで賑わった。(主催/落合池里山再生ネットワーク)
同プレーパークは、今年2月にも開催され好評だったため、今年度は2カ月に1度の定期開催が決まった。プレーパークとは既存の遊具などではなく、子どもが自由な発想で「遊び」を作り、「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーにした遊び場。近年は子どもが外で遊ばないことでの体力低下、自ら工夫して遊ぶことが少なくなったことから創造力を培う機会の喪失が社会的課題となっているが、プレーパークでは子どもたちの好奇心を大切にして、自由にやりたいことをできる遊び場作りを目指している。
子どもたちは森の中を駆け抜け、工作をしたり、昆虫や植物の観察をしたり、さまざまな遊びを楽しんでいた。ハンモックを揺らし遊んでいた小学1年生の男児たちは「保育園が一緒だったけど、小学校が別々のところになった友だちと久しぶりに遊んでるねん」と幼馴染たちではしゃいでいた。
福原蒼大さん(小4)と妹の郁さん(小1)はゴールデンウィークを利用して、須磨区に住む祖父宅へ帰省中に訪れたと話す。兄妹は針金に毛糸を巻き付けた専用の道具を作り、大きいシャボン玉飛ばしにチャレンジしていた。大きなシャベルを持って穴掘りを行う子どももいた。穴に水を流して、水がどう流れるかを観察したり、深く穴を掘ることに熱中したりしていた。
網を片手に虫取りを楽しむ子どもたちは、集めた虫を虫に詳しい「よこお自然塾」代表の高畑正さんに見せにいっては、名前を聞いたり、虫の特徴を教えてもらったりしていた。高畑さんは子どもたちに「ダンゴムシの足は何本あるか知ってる?」と問いかけ。「わからへん」と答える子どもに、「じゃあ、みんなで数えてみよう」と実際にダンゴムシの足の数を数えた。「12本?」と聞いた子どもは「正解は14本です」と伝えられ、もう1度数えなおして確かめていた。
長來幸ちゃん(3歳)は虫が大好きで、皆が集めてきた虫を夢中で見たり触れたりしていた。弟の幸輝ちゃん(1歳)と幸生ちゃん(6カ月)を連れて参加した父親は、「保育園の友だちグループに誘ってもらって、初めて来ました。息子が3人いますが、お友だちの保護者やスタッフの方などいろんな大人が見てくれるので、安心して遊ばせることができました」と笑顔で話した。
村田駿太さん(白川小4)は舞ぎり式火起こし器で火起こしに挑戦。火きり棒と火きり臼を上下運動させることで、木の摩擦を利用して発火させる。約1時間頑張った村田さんは「煙が出るまでが大変だった。目と鼻と口に煙が入ったけど楽しかった」と話し、火で炙ったマシュマロをうれしそうに頬張っていた。指導にあたった中野照雄さんは長年にわたり北須磨文化センターで親子自然教室を開いている。「人間は火を使えることによって、調理する、獣を追い払う、寒さから身を守るなどさまざまなことができるようになりました。今日、人生の中で初めて火を起こすという大きな経験をしました。私にとっても感動の日となりました」と語った。
プレーリーダーの中本智子さんは「子どもが自由に遊ぶことは子ども自身が自分を知り、その後の人生を主人公として歩んでいくために不可欠です。子どもの好奇心を真ん中にした遊び場をみんなで作っていきましょう」と明るく呼びかけた。
■2025年度の開催日程
7月5日(土)、9月6日(土)、11月1日(土)、3月7日(土)
申込不要。詳細はインスタグラムで確認


