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須磨区

サンヴェール須磨妙法寺 ふれあい喫茶

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サンヴェール須磨妙法寺(須磨区妙法寺)2階集会室にて、毎月第2水曜日(8月、2月は休み)に住民の交流を深める目的で「ふれあい喫茶」が開かれている。(主催/サンヴェール須磨妙法寺管理組合)

「ふれあい喫茶」は高齢化が進み、コミュニティが希薄になっていく中、近年多発している自然災害時に少しでも自助・共助が図れることを目指して防災活動の一環として始まった。孤立しがちにならないように、フレイル予防や健康をテーマに開催されている。5月14日(水)には神戸市立医療センター中央市民病院の副院長兼脳神経内科部長・川本未知医師による「たかが頭痛 されど頭痛」と題した講演(出張患者教室)が行われた。同病院では地域住民の健康づくりを支援するため、自治会などの集い場に職員が赴き講演を行なっている。

講演は、まず脳神経内科ではどんな症状の患者を診察しているのかから始まった。物忘れ、頭痛、手足の動かしにくさ、ふるえ、しびれ、目眩、物が二重に見える、これらの症状が起こる原因を詳しい問診、神経学的診察、検査などを通し突き止めていく。日本には現在、片頭痛の患者が800万人、認知症の患者が450万人、脳卒中の患者が300万人おり、脳神経内科は近年ますます需要が増えているという。

頭痛は大きく、頭の外側に原因があるものと、頭の内側に原因があるものに分けられる。通常頭が痛いと脳出血や脳腫瘍を心配すると思うが、実は脳は痛みをまったく感じないので、麻酔も何もせず針で突いても大丈夫だそう。頭痛を感じているのは脳だが、脳自体が痛むのではないという。実際、頭痛の大半は脳ではなく頭の外が原因で生じる。

外に原因があるものの1つが緊張型頭痛。肩こりのある中高年に起こりやすく、肩や首まわりの筋肉の緊張が高まり血流障害を起こすことが原因で、体操やマッサージで筋肉をほぐすと改善することが多い。2つ目に副鼻腔炎(蓄膿症)。アレルギーや細菌・ウイルス感染で副鼻腔に鼻水や膿が溜まった状態になり、ひどくなると発熱・頭痛が起こる。耳鼻科での洗浄や抗生剤の投与により治療する。3つ目は緑内障。眼球内の圧力が上昇して起こる病気で、40歳以上の中高年に多い。急に圧が上がると頭痛を伴い、放置すると失明することも。点眼薬や眼圧降下剤により治療する。

4つ目に帯状疱疹があげられる。幼少時に水痘に感染した後、身体の神経の中に潜んでいた帯状疱疹ウイルスが再び活性化して起こる。中高年に多く、身体が弱って免疫力が低下している時に生じやすい。頭皮に発症した場合は強い頭痛の原因になる。抗ウイルス薬や鎮痛剤で治療を行う。5つ目は後頭神経痛。肩こりや頸椎の歪みなどを誘因として神経痛が生じ、1日に何十回も秒単位の痛みを繰り返すのが特徴。

頭の内側に原因があるものとしては、若い女性に多い片頭痛がある。通常は数時間で治まるが、1日を超えて続くこともある。中高年の男性に多い群発頭痛や、睡眠中に呼吸が止まり脳への酸素供給が不足する睡眠時無呼吸症候群では、起床時の頭痛が特徴。脳表の血管が傷むくも膜下出血や、椎骨脳底動脈解離では頭痛があるが、脳出血や脳梗塞ではない。

特に気をつけてもらいたい症状として、呂律が回りにくい、片側の手足が動かしづらいなどが急に見られた時は、脳に何かしらのダメージが起こっているサイン。様子を見るのではなく、頭痛がなくてもすぐに病院を受診してほしいと訴えた。脳の血管が詰まっても4時間半以内に「経静脈的血栓溶解療法」を施し、血流を再開通させられれば麻痺を防いだり軽くできるとのこと。参加者の森憲治さん(須磨区)は「先生の説明はとても分かりやすく、頭痛にもさまざまな原因があることが分かった。医学の進歩のすごさも感じた」と語った。

企画・運営を行った住民ボランティアの玉置志げみさんは「マンション外の地域の方も歓迎です。皆さんに気軽に参加していただけるとうれしいです」と笑顔で話した。

※「出張患者教室」
問い合わせ先/神戸市医療 センター中央市民病院地域 医療推進課 TEL(302)4321

★ふれあい喫茶
問い合わせ先/サンヴェール須磨妙法寺管理組合 管理人室 TEL(741)8439


川本未知医師による「たかが頭痛 されど頭痛」


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