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シルバーカレッジ公開講座 堀内正美さん講演会

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5月7日(水)しあわせの村(北区)内にある神戸市シルバーカレッジで公開講座が開催され、同カレッジの学生を含め約300人が参加した。
(主催/神戸市シルバーカレッジ)

神戸市シルバーカレッジは市内在住の57歳以上を対象にした生涯学習機関で、芸術や国際交流、生活環境などの専門的な分野を学べる。一般市民にも学習の機会を提供しようと、実際の授業を受講できる公開講座を年間10回ほど開いている。今回は神戸市在住の俳優、堀内正美さんが「地域に活きる」と題した講演を行った。

阪神・淡路大震災発生時、堀内さんは東京から神戸に移住して11年目で、当時自宅のあった北区で被災した。電気が点かない中、カーラジオからラジオ関西の安否情報が流れていた。堀内さんは震災の1年前からラジオ関西のパーソナリティーを務めており「震災後も放送できているので何も問題ないと思っていたが実はいつ倒壊してもおかしくない状態で、スタッフから来ないでと止められていた」と話す。しかし震災から3日目、須磨区の旧本社へと向かった。余震で今にも崩れそうな社屋に恐怖を感じ、一度は逃げ出そうとしたが必死に放送を続けるスタッフを目の当りにし、記録を残さなければとビデオを回し続けたという。同講座ではその時の映像が流れ、堀内さんが当時を振り返りながら説明した。

そのラジオ番組の電話には、被災者からの悲痛な叫びが殺到。堀内さんは耳を傾け「一緒に頑張ろう」と何度も呼び掛けていたことから「がんばろう!!神戸」の合言葉が生まれた。そして市民ボランティア団体「がんばろう!!神戸」を結成し、被災者の生活再建を支援してきた。また、「少しでも明かりが灯れば、前を向くことができる」との思いを込めて、中央区の東遊園地に全国からの火を集めたガス灯「1・17希望の灯り」の設置に尽力した。

「皆さんはお隣りさんとお付き合いしてますか」と尋ねる堀内さん。「昔は地域に育てられ、地域で支え合うのが当たり前だった。震災で倒壊した家屋から救出された人の8割が近隣の人に助け出された。これは近隣の人の顔が分かるから」と説明。「災害や大切な人との別れは誰にでも起こりうるから近所で声を掛け合い、手を取り合えるかが大事。繋がりを忘れないで」と呼び掛けた。同カレッジの在校生で70歳代女性(須磨区妙法寺)は「災害に備え笛はいつも持っているがお薬手帳も必要だと聞いたので持ち歩くようにします」と話した。
同カレッジの絹川雅子さんは「新たな発見ができる学びの場です。来年1月から令和8年度の入学生を募集します」と話した。

問い合わせ先/神戸市シルバーカレッジ TEL(743)8100

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