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須磨区

大本山須磨寺 のんのん祭り

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4月13日(日)、大本山須磨寺(須磨区須磨寺町)にて、毎年恒例の春季大祭「のんのん祭り」が開催された。悪天候にも関わらず多くの参拝者が訪れ、写経・写仏体験や念珠・ろうそく作り、一絃須磨琴の演奏などを楽しんだ。 (主催/大本山須磨寺)

まつりの名称「のんのん」とは、幼児語で観音様をのんのん様ということから名付けられた。境内の櫻寿院では、「あなただけの散華守り」が行われた。蓮の花びら形の台紙にその人の願いや大切にしていることを絵師が絵にしてプレゼントするという企画で、全国から集まった10人の絵師が参加者一人ひとりの想いを絵に込めた。東灘区から両親と訪れた武井瑛紀さん(5歳)と咲来ちゃん(3歳)は「なぞとき、水泳、将棋がうまくなりたい」「お友達と楽しく過ごしたい」という願いを絵にしてもらい大喜び。絵師の原純哉さんは「お話を聞きながら描いているうちに、自分はこういう事がしたかったのかもと気づく瞬間に立ちあえるのが、とてもうれしいです」と話した。

八角堂では高野山の複合施設「天風てらす」のお香作り体験が盛況だった。香木や漢薬などの香原料を粉末にして調合したお香を塗香(ずこう)という。参加者は、白壇、高野槙など数10種類の粉末の中から、自分の好みの香りを選んで塗香を調合。若女将の馬場麻美さんは「手紙や名刺入れに入れたり、心身を清めたい時にお使い下さい」と説明した。

客殿では元ザ・ブルーハーツのドラマー梶原徹也さんによるドラムと、寺務長の小池陽人さんによる和太鼓に合わせて「般若心経」の読経が行われた。会場内は力強いドラムと和太鼓の音と読経の声が重なり合い熱気に包まれた。その後の法話では小池寺務長が「般若心経」について解説。「般若心経には仏教のすべてが込められています。五蘊皆空(ごうんかいくう)、つまりすべてはそれ自身に実体がなく、移り変わっていくということに気付けば苦しみから救われるということです」と話した。「空(くう)」の心でいるために、「タイムパフォーマンス」の言葉が表すような効率を重視し過ぎず、心に余白を作ることで寛容さを持てると語り「お寺にぜひ『空』の時間を味わいに来て下さい」と呼びかけた。

テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」での共演をきっかけに、小池寺務長の大ファンになったという井上賢伸さん(小2)は、和歌山県から訪れ、家族とともにまつりを楽しんでいた。僧侶に憧れる井上さんは日々「般若心経」を唱え、太鼓の練習にも励んでいる。仏具を自作したり、オリジナルの御朱印作りも行っていると話す。井上さんは「今度、須磨寺に来たらゴミ拾いする。陽人さんが『心の中の嫌な気持ちや悲しい苦しい気持ち、お寺に置いていって。それをお掃除するのが僧侶の役目です』と。陽人さんがみんなのゴミ拾うとしんどくなるから、賢伸も手伝う」とまっすぐな瞳で語った。


小池寺務長と梶原徹也さん


一絃須磨琴


あなただけの散華守り

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