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西区

神戸オープンガーデン2025

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オープンガーデンの歴史は長く、1927年に英国の慈善団体が資金を集めるために個人の庭を一般公開し、収益を看護・医療などに寄付した活動が始まりといわれている。神戸では2000年夏に、須磨で花好き同士の交流の場として始まったオープンガーデンが、2008年より市内全域に拡がった。

一般公開に先駆け、西区水谷の西森深雪さんと大垣かおるさんの庭を訪問。ふたりは10年以上オープンガーデンに参加し自宅の庭を公開している。西森さんは、2014年に「第16回神戸まちなみ緑花コンクール」で最優秀賞の神戸まちなみ緑花大賞を受賞。玄関先でボール状の真っ白なオオデマリの花や、赤銅色のドドナエア、マンサクの黄色い花が道ゆく人の目を楽しませている。庭にはモモイロタンポポをはじめ春先の花が咲き、来訪者を出迎える。近所の老人ホーム入居者の散歩道にもなっているという庭は、車椅子でも通れるように通路を固くするなど工夫していると話す。

キンセンカの一品種、「冬知らず」と「わすれな草」が咲き誇る花壇は「オープンガーデンが終わったら、この花はすべて抜き、夏野菜を植えるの」と西森さん。花壇には最近ガーデナーたちに人気があるという麦も育ち、風を受けてさらさらとそよぐ。取材日には神戸オープンガーデン実行委員のメンバーも集まり、「この斑入りの麦、可愛いね」「種からまくの?」「何月くらい?」と西森さんへの質問が飛び交っていた。花壇の横のブドウ棚には毎年ブドウのデラウェアが成り、柿の木は多いときは300個の実をつけるという。リビング近くの花壇にはジャガイモの葉が伸び、ネギや水菜なども植えられており、夫婦2人分の野菜は十分に賄えると笑顔で話した。

西森さん宅から徒歩3分の大垣さん宅は築70年の古民家。門の隣の納屋を抜けると、大垣さんの両親が植えたという松の木、梅の木が立派な広い庭が現れる。多肉植物専用のハウスがあり、大垣さんは「多肉植物は春の成長期に伸びてきたものを並べて簡単に寄せ植えができるので楽しい」と話す。苗木や鉢が並び、水を張った鉢にはメダカが泳ぐ。 実行委員のメンバーは「オープンガーデンで公開される庭は花が咲き誇り優雅だが、土を入れ替えたり掘りおこしたり、手入れには本当に体力がいる」と美しい庭づくりの苦労を語る。

よく手入れされた庭を、心地良い季節に散策できるオープンガーデン。来場の際は近隣の迷惑にならないように配慮し、各庭の詳細を神戸オープンガーデンのブログで確認してから来場のこと。 (会期終了、来年度の予定は公式ブログを確認)


  公式ブログ


西森さん宅


大垣さん宅

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