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国際盲導犬デーin神戸

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「国際盲導犬デーin神戸」が4月29日(火・祝)、湊川公園(兵庫区荒田町)で開催され、会場には関係団体などさまざまなブースが並び、多くの来場者で賑わった。(主催/社会福祉法人兵庫盲導犬協会)

毎年4月第4水曜日は「国際盲導犬の日」と制定され、この週間に盲導犬への理解を呼びかけ、さらなる普及や発展へと繋げる取組みが世界各国で行われている。社会福祉法人兵庫盲導犬協会では盲導犬や視覚障害について一人でも多くの人に知ってもらおうと毎年4月29日に「国際盲導犬デー」を開催しており、今年で23回目となる。

ステージでは盲導犬訓練士による盲導犬デモンストレーションが行われ、実際に訓練する様子を見ることができた。「人間と犬との関係性を築くことから始めるので、まずは思いきり遊びます」と説明。徐々に遊びの玩具を減らして言葉のみで指示を出し、できたら褒めるを繰り返す。続いての誘導訓練では障害物を避けるだけでなくユーザー(利用者)が通れる広い道へと盲導犬が誘導。電車で空いている席を探す設定では盲導犬が椅子の座面に顔を乗せて空いている場所を教えると会場から大きな拍手が起こった。

ユーザー座談会では3人のユーザーが盲導犬とともにステージに上がった。13年前から盲導犬と暮らす福尾貢さんは飲食店で入店拒否をされた経験を挙げ「残念ながら法律(身体障害者補助犬法)を知らない人が多い。互いが理解をし、ともに生きる自由な社会が来ればより積極的に盲導犬と一緒にいろんな場所に出かけることができる」と話した。現在の盲導犬とは4年暮らしているという廣木由美子さんは「犬は信号の色が分からないので交差点で青になったら『渡れますよ』と声に出して教えて欲しい。道に迷っていたら『何かお手伝いしましょうか』とユーザーに声を掛けてもらえたら」と伝えた。街で盲導犬を見かけても必要以上に声を掛けないこと。じっと見つめると盲導犬が気になり集中できなくなるため、そっと見守る「温かい無視」の理解と協力を呼び掛けた。

体験コーナーでは盲導犬との体験歩行ができ、参加者はアイマスクをつけハーネスを握り、障害物のあるコースを往復した。中央区から家族4人で来場した全盲の小原佳純さん(年長)は「一緒に歩いて安心できた。楽しかった」と笑顔。母親の絢子さんは「将来、可能であれば盲導犬を検討したいので体験できてよかったです」と感想を話した。ほかには性格が盲導犬に向かないと進路変更した「キャリアチェンジ犬」と、10歳を目安に盲導犬を引退した「リタイア犬」がふれあいのためボランティアの家族と来場しており、周りには子どもたちが集まっていた。

同協会の宮本奈都美副施設長は「昨年3月現在、全国で796頭、県内で32頭の盲導犬が活躍しています。この催しを通して、少しでも身近に感じ多くの人に知ってもらえたらうれしいです」と語った。

 

※「身体障害者補助犬法」…2002年に施行。身体の不自由な人をサポートする盲導犬・聴導犬・介助犬の総称を「身体障害者補助犬」「補助犬」と名付け、公共施設や公共交通機関のほか、飲食店やホテル、病院などの一般的な施設でも自由に同伴できるように定められている。

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