ちびっ子走り方教室
4月29日(月・祝)、垂水区平磯の垂水体育館で、小学生を対象に「ちびっ子走り方教室」が開催された。春の運動会を前に、29人の児童が真剣な表情で走り方を学んだ。
主催は、地域の健康づくりを目的に活動している「一般社団法人しんしんスポーツ・KOBE」。幼児から高齢者まで、年齢や経験を問わず運動の楽しさを伝える教室やイベントを展開し「心も体も元気になれる場づくり」に力を入れている。
講師を務めたのは同法人代表の神森美佐代さん。補助指導に藤田早苗さんが加わり、明るい声かけで会場の雰囲気を和ませながら、走るための基本動作を一つ一つ丁寧に指導した。
今回のテーマは「早く走れるようになること」。特にスタートの姿勢やスタートダッシュに重点が置かれた。教室はまず準備運動から始まり、「身体にスイッチを入れていこう!」という掛け声のもと、腰や肩、足首をしっかりと回して全身をほぐした。神森さんは「身体は団子で、頭から串が通っているように意識して」「おへその上のみぞおちが体の中心。そこから足が生えているイメージで」とユニークなたとえを交えながら、身体の感覚をわかりやすく説明した。
続いて、ジャンプやスキップ、スタート姿勢の確認など基礎的な動作を実践。「ジャンプは地面から早く離れるため」「スキップはバンザイの姿勢でリズムを整える」とアドバイスがあった。スタート練習では「よーい」の合図で頭を大きく前に倒し、後ろ足はその半分の幅、腕は出す足と反対を意識して動かすよう指導した。
その後は学年別に分かれてのトレーニング。リングを使っての片足ジャンプやバランス歩行といった体のコントロール力を高める練習を行った。最後に児童たちは本番を意識して、神森さんの「位置について、よーい」の声と笛の合図で体育館を疾走した。
神森さんは「疲れたというのは頑張った証拠。1回で出し切る力が大切」と伝え「スタートで差がつく。足を速く動かし、一歩の歩幅が合わさって早く走れる。そのためには、強い腕振り、足の付け根からの大きな動き、ジャンプ力をつけることがポイント」と解説。「毎日50回縄跳びを続けると体力がつき、足も速くなる」と家庭でもできるトレーニングを勧めた。「走ることはすべてのスポーツの基本。足が速くなると他の競技にも活かせて、自信にもつながります。運動が苦手な子でも、身体の使い方を覚えれば楽しくなります」と神森さんは子どもたちにエールを送った。
参加した霞ヶ丘小学校6年生・2年生の姉妹は「先生の教え方がわかりやすくて、身体が軽くなった感じ。前に進む力が強くなった」、「速く走れそう!」と、それぞれ運動会に向けた自信を口にしていた。