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じゃすもーランド

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3月7日(金)・8日(土)、神戸国際展示場1号館1階展示室(中央区港島中町)にて、本格的医療体験型イベント「じゃすもーランド」が開催された。(主催/公益社団法人日本臨床腫瘍学会)
日本臨床腫瘍学会(JSMO)とはがん医療に関する国内外の情報の調査研究、普及啓発を行い、がんに対する診療技術の向上を促進・振興することを目的とした学術団体。同イベントは第22回日本臨床腫瘍学会学術集会の開催にあたり、さまざまな医療体験プログラムを通して市民や子どもたちに医療を身近に感じてほしいとの思いから、今回初めて開催された。

参加者は受付を済ませると、10個のプログラムの中から体験したいブースを訪れた。各スタッフからレクチャーを受けながら、医療現場で行われている仕事を体験した。
全国に650店舗ある薬局「クオール薬局」が担当した「お薬を作ってみよう」のブースは、会場内に模擬調剤薬局を再現。受付から薬を作り患者に手渡すまでの一連の作業を体験できた。錠剤の調剤では、錠剤の代わりに子どもが好きなラムネで複数の錠剤を1つの袋にまとめる機械を使用したり、散剤の調剤では粉のジュースを使用して定められた量を袋に入れる作業を行った。軟膏調剤ではヘラを使用し軟膏つぼと呼ばれるケースに軟膏を入れる作業を体験した。三木市から参加した松永暖生さん(小4)と澪里さん(小1)兄妹は、軟膏を入れる作業に挑戦していた。スタッフから「ヘラを奥までぐっと差し込んで、引っ張ると掬いやすいですよ」とアドバイスを受けると、上手に軟膏を入れることに成功。「難しかったけど、やってみたかった。できてよかった」とホッとした表情を浮かべた。

「血管に針を刺してみよう」のブースでは、医療従事者を目指す学生が針を刺す練習に使っている教材と同じものを使用して採血に挑戦。針を刺す角度はなるべく腕に沿うようにすると良いことや、うまく血管に針が入っていないと引っ張ってもちゃんと採血できないことなどが学べた。
「超音波検査診断できるかな」のブースでは、人形を使って超音波(エコー)検査の体験が行えた。肌(表面)にジェルを塗り、器械を密着させてモニターを見ると、腫瘍がある部分が白く見え、腫瘍のあるなしが判別できた。同じ箇所でも、機械を当てる向きなどで見え方が違うため、正しい診断をするためには高度な技術が必要なことが分かった。ほかには乳がん触診体験や、電子聴診器を当てて心臓の音を聞いたり、心肺蘇生法を学ぶブースなどがあった。ブースを回ってシールを集め、すべて集めた参加者には身体の部位の名前が図解されたクリアファイルなどのグッズがプレゼントされた。

また、会場には日本に50台程度しかないロボット支援手術の技術を磨くためのシミュレーターも設置されていた。両手の親指と中指に小型の機械を通して動かすと、モニターの器具が連動して動くもので、医師はこのシミュレーターを使って練習し、技術を磨いているという。イベントでは、器具を動かし、画面上に散らばった色のついた物体を同じ色のケースに入れていく練習に挑戦できた。吹田市から参加した小笹恵奈さん(小4)と佳乃さん(小1)姉妹は「ピンセットでつまむ感じで指を動かしたらできました。何度かやってるとコツがわかりました」と話した。佳乃さんは「将来はお医者さんになりたい」と話し、看護師の母親は「たくさん勉強して頑張ってお医者さんになってね」と笑顔で励ました。

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