みつばちマルシェ
3月8日(土)・9日(日)に市立須磨離宮公園(須磨区東須磨)で、ハチミツを通して食育や地球環境を考えるイベント「みつばちマルシェ」が開催された。(主催/みつばちマルシェ実行委員会)
2012年から東京で開催されている日本・世界のハチミツが集結する「はちみつフェスタ」を、ぜひ関西でも行いたいと集まった有志が同公園とコラボし、今回の初開催に至った。遠くは名古屋からの来場者もおり、2日間を通し多くの人で賑わった。
3月8日は「ミツバチの日」ということもあり、8日には一般消費者向けセミナー、ファミリー向けセミナーに、養蜂関係者向けの専門的なセミナーも行われた。ファミリー向けの「はちみつの健康パワー」と題したセミナーでは、花の種類で変わる味の違いや自分好みを選ぶポイントが伝えられた。講師を務めたのは、(一社)日本はちみつマイスター協会の河村千影代表理事。まずはハチミツの成分について説明があった。糖分80%、水分19%、ビタミンB群ミネラルなど1%で構成されている。色の濃いハチミツは、鉄分などのミネラルを多く含んでいるという。ハチミツは、いくつもの種類の花から集められた「百花蜜」、ひとつの種類の花から集められた「単花蜜」、樹液由来の「甘露蜜」に分けられる。同じ場所で採れる百花蜜でも季節によって咲く花に違いがあるため、味も香りも違ったものができる。さっぱりした甘さのもの、濃厚な味わいのものなど、自分好みのものを見つけて楽しんでもらいたいと話した。
両日とも飲食・物販のブースには、さまざまなハチミツと、ハチミツを使った料理や加工品の出店が並び、来場者は買い物を楽しみながら出店者と交流する様子も見られた。
NPO法人梅田ミツバチプロジェクトは、ハチミツのほかにハンドクリームなどを販売。同法人は2009年に発足、梅田の市街地を中心に都市養蜂を行っている。養蜂とともに都市の緑化活動や、環境学習会などを開催しながら、自然と共存できる都市環境づくりを目的に活動を続けている。イベント当日も、紙芝居を使い子どもたちにも分かりやすくミツバチについて説明。日本に生息するミツバチの種類や、ミツバチは蜜や花粉を集めると同時に、花から花へ豊かな実りのための受粉を助けているなど、ミツバチの生態系における役割の重要さなどが紹介された。
ヨーロッパからハチミツを直輸入するブランド「BieneBiene」のブースでは、EU内でオーガニックと認められたBIOハチミツとコムハニー(巣みつ)、クロワッサンサンドが販売され盛況だった。石井昭子さんは来場者におすすめのハチミツや、相性のいい食材と効能についてをていねいに説明していた。
会場には俵養蜂所が用意した本物のミツバチの巣がケースに入れて展示されており、多くの人が真近でミツバチを観察しようとケースに顔を近づけていた。須磨区から家族と訪れた西川青芭さん(小1)は楓華さん(年中)と一緒にミツバチを観察し「初めてみた。針が見えた」と興奮ぎみだった。「ハレとケ」のブースではハチミツのお酒「ミード」を販売。また、須磨離宮公園内で採れたハチミツ「RikyuHoney」、蜜ろうを使った「リキュウハニーのはんどくりーむ」、神戸女子大学の学生が「Rikyu Honey」を使用したパウンドケーキと焼き菓子の販売を行い、行列ができていた。
同園の辻堂美香子さんは「今回初開催でしたが、第2回、3回と続けて開催していけるようなイベントにしたいと思います。人間がミツバチから多くの恩恵を受けていることを知ったり、お気に入りのハチミツを見つける機会にしていただけたらうれしいです」と話した。
BieneBieneの石井昭子さん
NPO法人梅田ミツバチプロジェクト
俵養蜂所