編集記事

西区

オープンファクトリー 西神made

記事 オープンファクトリー 西神madeのアイキャッチ画像

3月14日(金)・15日(土)の2日間、西神工業団地や神戸西神オリエンタルホテルを会場に、ものづくり企業の魅力を体感できるオープンファクトリー「西神made」が開催され、のべ1万3700人が参加した。(主催/神戸市)

オープンファクトリーとは、普段は一般公開していない企業の工場や作業場に入り、製品がどのようにして作られているかを体感する目的で開かれるイベント。2022年から長田区、兵庫区や須磨区で開催されていたが、今回は初めて西区での開催となった。おもに西神工業団地(西区高塚台)にある金属加工、部品製造、工作機械、木工業、食品製造など、ものづくり企業約30社が参加した。

神戸西神オリエンタルホテルをサテライト会場とし、各企業への無料周遊バスが運行されたり、工場やブースをまわってスタンプを集めるデジタルスタンプラリーも実施され、複数の企業をめぐる楽しみも用意されていた。
(株)神戸製鋼所神戸総合技術研究所は通常は非公開の技術ショールームを解放し、開発業務部総務室の中安敬祐さんらが案内を担当した。神戸製鋼所(KOBELCO)は神戸で創立し、今年創業120年を迎える大手鉄鋼メーカー。ショールームではVRゴーグルをつけることによってKOBELCOの製品を実物大で体験できた。VRゴーグルをつけると目の前に大きなタービンが回る3D映像が映し出され、来場者はその迫力に驚いていた。遠隔で重機を動かせるシステム、K–DIVE®も展示されていた。現場から離れた室内で重機の遠隔操作を行えるシステムで、安全な場所でも作業可能なうえ、移動に困難を持つ人も仕事ができる。運転を体験した参加者は「操作は簡単でしたが、慣れるまでコントロールが少し難しかった」と話した。

川崎重工業(株)西神工場では、ロールスロイス社に輸出される大型旅客機用エンジンや1950年代にアメリカで開発されたUH–1H型の多用途ヘリコプターなどが展示され、多くの来場者が記念撮影を楽しんでいた。子どもたちも操縦席に座り、パイロットの目線を体験できた。

上下水道埋設管塗覆装や塗料製造販売を行う日本ライニング工業(株)では、ウェルカムボードの塗装や、エコバッグに布絵具で絵を描きオリジナルエコバッグを作るワークショップが行われた。西区の光安結美さん(5歳)、美琴ちゃん(2歳)姉妹は好きな色の絵具で楽しそうにお気に入りのキャラクターを描き、仕上がったバッグを誇らしげに掲げていた。同社の中川裕子代表取締役社長は「表からは見えにくい塗装の仕事をしているので、普段はお客様と直接お会いできる機会がなく、今回のイベントは従業員にとっても貴重な機会をいただけたと思っています」と話した。
味噌や麹などの製造販売を行う(株)たかたでは、小分けの味噌ダレのつかみ取りを行い、多くの来場者で賑わっていた。

6つの企業を回った赤対秀明さん(西区)は「オープンファクトリーは2回目の参加ですが、いろいろな業種の工場を見ることができ、興味深かったです。以前は高専の教員をしていたので、卒業生が案内をしてくれた企業もあり楽しいひとときでした。今後も継続的にもっと多くの企業が参加され、地域に密着した工業団地へ展開していくことを望んでいます」と話した。

神戸市の担当者は「想定以上にたくさんの方にお越しいただき、驚きと大きな喜びを感じています。参加者も企業の方も笑顔で参加いただき、素敵な2日間になりました。次回も必ず開催してほしいとのお声をたくさんいただいたので、第2回を楽しみにしていてください」と次回開催への意気込みを語った。


神戸製鋼所のVRゴーグル体験


神戸製鋼所のK-DIVE®運転体験


川崎重工業のジェットエンジン


川崎重工業のヘリコプター展示


日本ライニング工業

カテゴリー