かるも発・お肉フェスタ
2月22日(土)、神戸市中央卸売市場西部市場(長田区苅藻通)内駐車場にて、食肉をPRするためのイベント「かるも発・お肉フェスタ」が開催され、約5500人の来場者で賑わった。(主催/かるも発・お肉フェスタ実行委員会)
同イベントは2017年まで15回にわたって開催されていた「食肉まつり」が「かるも発・お肉フェスタ」と名前を変え、8年ぶりに開かれた。同市場では食肉の中央卸売市場として西日本を中心に全国各所から良質な黒毛和牛を集荷している。安心安全でおいしい食肉の味を消費者に知ってもらおうと、当日は和牛鉄板焼肉と厚切りの豚肉と野菜がたっぷり入った豚汁の試食各500食が用意された。開場時間前から並んでいた来場者は屋外で冷えた身体が温まると大喜び。西区から家族と参加した西川洸輝さん(5歳)と妹の柚葵ちゃん(3歳)は「おいしい」「やわらかい」と言いながら笑顔で鉄板焼肉を頬張っていた。
会場内ステージではダイヤモンドベンチャーズによる洋楽ライブや1952年発足で70年以上の活動実績を持つ神戸市消防音楽隊の演奏が行われ、歌謡曲、演歌、最新ポップスまでさまざまなジャンルの演奏で観客を楽しませた。
販売コーナーでは特別価格の和牛肉、ハム・ソーセージ、野菜、ドーナツなどが販売され、来場者の多くが買い込んだ荷物を両手いっぱいに持ち、満足そうな様子だった。
会場の一角では但馬牛、神戸牛の安全性や認定基準、おいしさについて紹介するコーナーも。神戸肉流通推進協議会事務局長の谷元哲則さんは「牛肉の肉質を左右するのは何よりも血統で、神戸牛の究極の美味を作り出せるのは、今もなお他府県産の和牛との交配を避け、完全な純血を守り抜く但馬牛のみ」と解説。現存するごくわずかな日本原種の黒毛和牛の中でも頂点とされ、全国の和牛品種改良の「素牛」として使われている但馬牛は指定生産者によってのびのび育てられるため、年間肥育できる頭数も限られる。「その但馬牛の中でも霜降りの度合いや肉質のきめ細やかさなど一定の品質基準を満たす選りすぐりだけを『神戸牛』として認定しています」と希少価値を語った。
午後からは「神戸ビーフを科学する。牛肉のおいしさの秘密を大解剖!」と題して神戸大学大学院農学研究科の上田修司さんによる講演が行われた。神戸牛のおいしさの決め手である霜降りは融点の低いサシ(脂肪)が特に細かく筋肉の中に入り込んでいることや、イノシン酸やオレイン酸が豊富であることが科学分析で明らかになっている。また、牛肉の鮮度を保持するフィルム包装の開発を進めており冷蔵保存での賞味期限が20日延びるため、食品ロスにも繋がると話があった。
イベントの最後は全員参加の〇×クイズで会場は大盛り上がり。正解者には和牛肉セットなど豪華景品が贈られた。実行委員長で神戸中央畜産荷受株式会社代表取締役社長の丸橋弘資さんは「和牛・国産牛のおいしさを知ってもらい、皆さんに安心安全なお肉をたくさん消費してもらえたらうれしいです」と語った。
消防音楽隊の演奏