神戸花物語2025
3月2日(日)、デュオこうべ(中央区相生町)にて、花の魅力を伝えるイベント「神戸花物語2025」が開催された。(主催/神戸市花き協会)
同イベントは豊かな農村地域が広がる西区・北区で生産された花の魅力をより多くの人に知ってもらい、花に親しむ機会を少しでも増やしてもらうことがねらい。会場には販売や竹の花器づくり体験などのブースが並んだ。
「神戸花マルシェ」では神戸市内の生産農家が良質な花を自ら持ち込み、来場者にアドバイスもしながら対面販売を行った。北区淡河町で作られている神戸チューリップはまだビニールが大変高価だった昭和28年、障子の建具でハウスを作り、石炭熱で加湿するといった方法で栽培が始まった。それから約70年、現在では百数十種が栽培されている。太陽光をたっぷり当て光合成させるため、花や葉の色は鮮やかで、茎もしっかりしている。持ちが良いことから全国的に有名で宮内庁開催の行事でも使用されるほど。ほかにも純白の新鉄砲ユリの神戸リリィ、西区岩岡町・平野町のカーネーションなど、色とりどりの花が並んだ。中には、南アフリカ原産のプロテア、セルリアなど希少な花もあり、来場者は新しい花との出合いも楽しんだ。
神戸の花を使ったビクトリーブーケコンテストでは来場者及びプロが審査をして、各賞が選ばれた。「ビクトリーブーケ」とは中学校体育連盟主催の競技大会などの表彰時に副賞として贈られるもので、スポーツなどの振興を応援するとともに、子どもの頃から花を身近に感じ、将来的にも花を飾る楽しみを持ってもらえたらと願う取り組み。
イベントの司会はひょうごの花と緑の親善大使フラワープリンセスひょうご2025の萬徳桃可さん。「人生の句読点を華やかに彩り、心に癒しを届けてくれるお花が大好きです」とあいさつし進行を務めた。日頃の感謝を込めて花束プレゼントするコーナーでは5組が家族、友人、仕事仲間に花束をプレゼント。パートナーからの花束に「お花のプレゼントは結婚式以来だったのでうれしかった」と笑顔の女性。娘から「いつもお仕事ありがとう」と花束を受け取った父親は「もっとお仕事頑張ります」と大切そうに花束を抱えていた。
有限会社鈴蘭園(北区南五葉)の澤さんによる寄せ植え教室ではマーガレット、アネモネ、リナリア、ラナンキュラスの4種を鉢植えにするコツが伝授された。しっくりくる向きを探しながら1番後ろにする花から順に入れていくと良いことや鉢の選び方もポイントになるそう。山本慶子さん(北区)は寄せ植え教室と土壌生物による培養土の再生方法についての講習を目当てに訪れた。「庭のある家に引っ越し、ガーデニングを始めました。パンジーなど10種類ほど植えています。今日教えていただいたことを家で試してみたいです」と言い、両手いっぱいの花を手に笑顔が弾けた。
神戸市花き協会会長の相良行博さんは「花は心のサプリメント。横に置いて忙しい日々の中でほっとする時間を」と暮らしの中に花を取り入れることの魅力を語った。
花束をプレゼントするコーナー。5組が家族、友人、仕事仲間に花を贈った
「淡路花みどりフェスタ2025」のマスコット「ゆめはっち」も登場