須磨松林クラブによる松葉のおそうじ
2月15日(土)、須磨松林クラブによる須磨海浜公園内松林の保全活動を目的とした「松葉のおそうじ&アウトドアイベント」が開催され、51人が参加した。(主催/須磨海浜公園パークマネジメント組織)
須磨松林クラブは、2023年に発足した須磨海浜公園利用者有志によるコミュニティ。ボランティア活動をはじめ、松とふれあうワークショップや松の植樹イベントなどを通して、松林の育成・保全活動をしている。松葉の清掃イベントは昨年2月から始まり、この日で5回目となった。
冒頭に、須磨ホールで樹木医の松尾眞一さんより松枯れの仕組みについて説明があった。松枯れとは、松が「マツ材線虫病」にかかることで急激に弱り、枯れてしまうこと。対策として、公園内のクロマツは番号をつけて管理し、薬剤の樹幹注入などの回数を記録している。
説明の後は屋外に移動。災害時に使用するマンホールトイレの位置と使用方法が案内された。マンホールトイレとはマンホールの上に簡易の便座やパネルを設置し、トイレとして使えるようにできる設備。公園内にはパークコンシェルジュ棟北側に3基設置されている。須磨区から家族で参加した片桐ひよりさん(4歳・年少)と雅ちゃん(2歳)の姉弟は、初めての体験に「おうちのトイレより硬い」などと話しながら座り心地を確認していた。平常時にはベンチ、災害時にはかまどとして使用できるかまどベンチも紹介された。着火剤の代用に松ぼっくりや松葉が活用可能だという。
また、ノコギリを使って丸太を切ったり、ナタを使って薪を作る木こり体験も行った。ノコギリは引く時に力を入れるなど、使い方のコツを教わった参加者が真剣な顔で挑戦していた。森本紗椰さん(西須磨小1)と弟の泰至さんは両親と参加。紗椰さんは「ナタが少し重たかった」と話しながら、きれいに割れるとうれしそうに笑顔を見せた。泰至さんは「ノコギリで木を切るのが楽しかった。もっとやりたかった」と楽しんでいた様子。
松葉の清掃では、熊手を用いてまずは松葉を数カ所に集めた。松葉の山を作ってから大きな袋に詰め、トラックの荷台まで運んだ。須磨区の古味光希さん(7歳)は慣れた様子で率先して掃除を行っていた。母親の祐子さんは「息子は松葉のおそうじが大好きで、第1回から毎回参加しています。学校の宿題の自分学習(好きなテーマで学習するもの)で取り上げたこともあります。松の植樹にも参加しました。公園に遊びに来るたびに松の成長を観察しています。大人になった時に、自分の植えた松を見にきてくれたらうれしいです」と微笑んだ。
清掃が終わった頃、ドラム缶コンロで石焼イモが焼き上がった。参加者たちは「おいしい」とイモを頬張りながら、笑顔をみせていた。
マンホールトイレの説明を聞く子どもたち
かまどベンチ