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須磨区 防犯セミナー

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1月29日(水)、須磨区役所4階多目的会議室(須磨区大黒町)にて、安心・安全なまちづくりの一環として「防犯セミナー」が開催され、66人が参加した。(主催/須磨区役所、須磨警察署)

同セミナーは、登下校の見守りや夜間パトロールを行うなど高い防犯意識を持つ地域住民に向けて、防犯リーダー認定講座として開かれた。

開催にあたって須磨警察署の土山公一署長から話があった。最近は、オレオレ詐欺などの高齢者を狙った詐欺だけでなく、20代の若者が被害にあう特殊詐欺も増えている。今年に入って(セミナー開催時点で)須磨区内では10件、約2000万円の特殊詐欺の被害がでており、投資やもうけ話にも充分な注意をしてほしいと促した。また、子どもが被害にあう犯罪については、入りやすく見えにくい場所で発生することが多い。子どもたちの防犯意識を高めるためにも、自分が住む地域のマップを作り、犯罪が起きやすい場所を知ってもらうのも重要。
兵庫県警察では犯罪情報や防犯情報などを登録したメールに無料で通知する「ひょうご防犯ネット」(→https://www.police.pref.hyogo.lg.jp/bounet/index.htm)という取組みを行っている。子どもや女性に関する情報(声かけ、つきまとい、不審者など)、特殊詐欺に関する情報、路上強盗、ひったくり、そのほか住民への注意喚起が必要な情報、県警からのお知らせなどが配信される。「どこで、どういった手口で犯罪が行われたかを見て、防犯力を高めてほしい」と呼びかけた。

次に、神戸市危機管理室より「防犯カメラ事業について」の説明があった。神戸市は市直営の防犯カメラ(神戸市カメラ)を市内に約2500台設置しており、さらに増設を進め、令和8年度末までに合計5400台とする予定。おもに子どもと女性に対する犯罪予防を目的としており、24時間稼働、14日間映像が記録される。プライバシーに配慮し、個人情報を含む恐れのある個人宅が映る場合はあらかじめマスキング(黒塗り)処理をし、記録されることはないという。  続いて、須磨警察署の馬渕厚生活安全課長より「特殊詐欺防止対策」について。兵庫県の令和5年中の特殊詐欺被害件数は1224件、被害額約21億9000万円で、令和6年中はさらに増えて過去最多となる見込みである。セミナー当日の午前中だけでも3件の通報があったという。実際にかかってきた還付金詐欺の音声を聞き、参加者たちはその自然な語り口に驚いていた。「還付金詐欺、SNS型投資詐欺、ロマンス詐欺など、会ったことない人に連絡先や口座情報は絶対に教えないでほしい」と注意喚起があった。

最後に奈良女子大学・瀬渡章子名誉教授による「地域で守る子どもの安全・安心~事件や活動の事例から考える~」と題した講演が行われた。近年増加傾向にある子どもが被害にあう犯罪が、どのような場所で起こったのかを数件の事例を通して検証。物理的環境の設計・管理やコミュニティの結束力など社会的環境の改善を通して、犯罪が起きにくい状況をつくりだすことの重要性についての話があった。事例として、登下校時に花の世話をしながら子どもを見守る「ながら見守り(横浜市)」、犬の散歩中に見守る「わんわんパトロール事業(加古川市)」などを紹介した。

登下校時の子どもの見守りをしている参加者の志賀史和さん(須磨区中落合)は「はじめは体調を崩した前任者の代理で、期間限定のつもりで引き受けた。やってみたら子どもたちの成長を見守れるうれしさもあってやめられなくなった。花谷小学校(須磨区東落合)では、毎年新学期には必ず児童たちに見守り隊のメンバーを紹介する機会が設けられており、交流もしている」と話した。岡本美治さん(須磨区)は「地域での声かけが大事だと思っています。子どもたちへの声かけとともに、普段見かけない方には『どこかお探しですか』と声をかけ、交流を持つようにしています」と語った。藤澤英明さん(須磨区菅の台)は「長年見守りをやっていると、成長した子どもが街中で声をかけてくれることがある。たくさんの子どもの成長を見守れることはとてもうれしい」と微笑んだ。

須磨区地域協働課は「この度のセミナーで、新たに15人の防犯リーダーが認定されました。防犯リーダーの皆様には、セミナーで得た知識を地域の防犯活動に活かしていただければ幸いです。地域の皆様とともに、須磨区の安全・安心なまちづくりを目指していければと思います」と話した。

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