西神戸ラグビースクール
「西神戸ラグビースクール」は、西区を中心に近隣地域に住む少年少女の知力・体力および協調性を育成することを目的に1989年に設立。2024年パリオリンピック男子7人制ラグビー日本代表の谷中樹平選手や、昨年の大学選手権で優勝した帝京大学の本橋拓馬、尭也兄弟も同スクールの卒業生で、有名選手を数多く輩出している。現在は中学生37人、小学生75人、幼児16人が在籍しており、「楽しく、安全に」をモットーに練習に取り組んでいる。
2月の取材日当日は、竹の台小学校(西区竹の台)のグラウンドで練習が行われた。あいさつの後、学年ごとに分かれ子どもたちの成長過程に応じた指導が始まった。各学年ごとに数人のコーチが1年間専任として担当しているので、一人ひとりの成長度合いも把握しやすく、ていねいに指導できるという。幼児にはラグビーは楽しいと体感してもらうため、たくさん褒めながら、バランス感覚や体力強化が目的のメニューを行う。
小3未満の子どもたちはタックルはしない「タグラグビー」を行っている。タグと呼ばれる細長いひもを2本腰につけ、タグを奪うことが攻撃を止めるタックルの代わりになる。安心してプレイできるので、体育の授業で行う小学校も多いそう。タグを取られないよう敵を交わしながら素早く味方にパスする必要があるので、俊敏性を鍛えるメニューが取り入れられていた。小3からはタックルありのラグビーとなる。ヘッドキャップをつけて頭を守りながら、1対1でぶつかり合う練習などを行う。
各学年ごとに1人ずつキャプテンを決めており、学年によっては子どもたち自身がどういう人物がキャプテンに相応しいのかを考えて選ぶという。キャプテンは「周りの話をよく聴ける」「声をよく出せる」「身を挺したプレイができる」人物に任せたいと意見があり、子どもたち同士が相談してキャプテンを決めていた。大津コーチは「3年生くらいになると、子どもたちはよく周りのことを見ていて、きちんと見極めた上でキャプテンを選ぶことができます。相談し合いチームとして成長できていると思います」と語った。
スクール生の坂東岳さん(井吹東小3)は「このチームの得意なプレイはオーバーです」と答え、永崎薫さん(舞多聞小3)は「キックやタックルをもっとうまくできるようになりたい」と話した。双子の前碧斗さん(小3)、陽暖さん(小3)と琉晴くん(年長)は兄弟3人でスクールに通う。保護者は「両親ともにラグビーは未経験でしたが、子どもがお友だちに体験会へ誘われて初めて参加しました。小さくても兄弟一緒に参加できるし、褒めながら良いところを伸ばして下さるので、練習を嫌がったことは一度もなく、合宿の班も縦割りで大きい子が小さい子どものお世話をしたり、社会性や協調性も身につくのではと感じています」と話した。
当日は、京都成章高等学校ラグビー部への進学が決まった鳥濵陸翔さん(中3)がコーチとして参加していた。鳥濵さんは5歳の時に同校の試合でみたピラニアタックルに衝撃を受け、ラグビーを始めたという。10年努力を重ね、念願のチームに春から入部できることを楽しみにしているそう。まずは1年生でスタメンを、7~8年後には日本代表を目指している。「ラグビーは自由度が高く、ボールを持った時に誰もが主役になれるところ」がラグビーの魅力だと話した。
【体験会実施日】
3~5月毎週日曜日(5月4日は除く)
午後2時半~
※事前予約必要
詳細、問合せはHPから→https://nishikobe-rugbyschool.com
鳥濵陸翔さんと小3チーム