西図書館×神戸学院大学「子どもサイエンスラボ」
2月15日(土)西図書館 セミナー室(西区美賀多台)で、神戸学院大学薬学部の任意団体「科学クラブ」による小学生対象の科学実験教室「子どもサイエンスラボ」が開催され、事前申込をした親子16組26人が参加した。
(主催/市立西図書館、神戸学院大学)
神戸学院大学は社会貢献や地域の活性化に取り組んでおり、特色ある生涯学習プログラムをさまざまな場所で開催している。科学実験教室はグランフロント大阪ナレッジキャピタルなどでも行われ、毎回大盛況の人気プログラム。今回は西図書館との初の連携イベントとなった。
子どもたちが少しでも科学に好奇心や興味を持ち、好きになってもらうのが開催の目的。科学クラブのメンバーで、初めてイベントリーダーを務めた松嶌心春さんは「科学と聞くと難しく感じるかもしれませんが、今回の実験教室では小学生に向けて分かりやすく解説し、実際に変化の様子を目で見て楽しみながら取り組んでもらえるような実験内容を考えました」と話した。
「色」をテーマにした「色が変わるハーブティー!」と「ペーパークロマトグラフィーで栞(しおり)を作ろう!」の2つの実験が行われた。
ハーブティーを使った実験では、コップに注がれた青色のハーブティーに5種類の液剤「食塩水」「レモン水」「クエン酸水」「重曹水」「石鹸水」を混ぜるとハーブティーの色がそれぞれどう変化するかを観察した。これはハーブティーに含まれる「アントシアニン」という色素が酸性、中性、アルカリ性によって色が変わる性質を利用し、液剤の性質を調べる実験。子どもたちは青色のハーブティーが緑や紫色に変化する様子を興味深く眺めていた。また、混ぜる量によっても色が濃く変化するのが不思議だと話す子どももいた。
ペーパークロマトグラフィーの実験では、紙と液体を使って水に溶ける物質が分離する様子を観察。「クロマトグラフィー」とは、ロシアの植物学者ミハイル・ツヴェットが約100年前に発明した物質の吸着力の差によって物質を分離する方法の総称。薬の成分、偽札の判別方法にも使われる実験だと説明があった。
まず短冊形に細長く切ったコーヒーフィルターに各自好きな色の水性ペンで線を引いた。次に水の入ったコップを用意し、フィルターの上部分を割り箸で挟み、ペンで引いた線が水につからないようフィルターの先端だけを入れる。するとみるみるうちにフィルターに書いた線が分離され、一色だと思っていた線から異なった色が現れ鮮やかな模様ができ、子どもたちは驚きの表情を浮かべた。水性ペンのインクは一色に見えても実際には複数の色が混ざり合っていたりする。模様ができたフィルターを学生たちが乾かした後、子どもたちは好きな動物の絵や自分の名前などを描き加える。ラミネートフィルムで保護し、穴を開けてリボンを通すとオリジナルの栞が完成した。
西区春日台から参加した中村結衣さん(小4)と悠大さん(小1)の母親は「西図書館は良く利用しています。今回の実験教室が良かったので、また図書館で違った内容の実験教室があればぜひ親子で参加してみたいです」と話した。結衣さんは「実験は2種類とも楽しかったです。色が変わるのがとっても不思議でした。またお家でも実験をやってみたいです」と笑顔を見せた。