災害ボランティア入門講座
2月14日(金)・21日(金)、須磨区役所4階多目的会議室(須磨区大黒町)にて、災害ボランティアについて学び、今できることを考えるための全2回講座「災害ボランティア入門講座」が開催され、約50人が参加した。(主催/須磨区社会福祉協議会、須磨区ボランティアセンター)
1回目の2月14日は、まずはじめに阪神高齢者・障がい者支援ネットワークの宇都幸子代表による「支援ネットの被災地支援ボランティア活動」と題した講演があった。宇都さんは阪神・淡路大震災後の1995年6月から4年3カ月に渡り、西区の西神第7仮設住宅で支援を行った。ピーク時には1060世帯(1800人)が暮らす被災地で最大規模の仮設住宅だった。孤独死を出さない、寝たきりにさせない、良好なコミュニティをつくることを目標に活動。いのち・安全を確保するため市、警察、消防、保健所、民生委員と毎月連絡会を開き、地域包括ケアシステムの原型になったという。ボランティアをする際には支援活動の目的・目標を設定し、誰のための、何のための活動かを明確にするのが重要だと話した。課題は若者の参加率が低いこと。実際に参加した学生たちはやりがいを口にするという。
次に、須磨区社会福祉協議会の久保和功事務局部長による「災害ボランティアセンター」についての講演。阪神・淡路大震災の発災直後からの組織づくりや、全国から届く支援物資・ボランティアの受け入れと振り分けに関して、前例がないなかで模索し続けた日々を語った。
続いて須磨救急ボランティアの井尻努代表と兼吉順子さんによるケガの手当法の実技講習が行われた。参加者は持参した三角巾を使った包帯法を教わった。まずはたたみ方から、止血や固定の仕方、さらに毛布や棒を使った担架作りと傷病者を運ぶ訓練も行われた。
2回目の2月21日は、神戸市社会福祉協議会 地域支援部の長谷部治課長による実際の支援活動についての講演があった。はじめに参加者から〝知りたいこと(質問)〟を集め、ていねいな回答を交えながら話した。大切な心得は「ボランティアに行って、絶対に死なない。ケガをしないこと」「行政支援では届かない個別の配慮が必要な方のフォローをすること」。ボランティアは力仕事だけではなく、女性ならではの活動や、現地に行けなくてもできる支援もあるので、やってみたい心があれば誰でも必ず参加できると伝えた。
2回の講座に出席した参加者は「自分ならどう動くだろうかとイメージでき、とても学びになった」「ケガの手当法は子どもたちの遊びの場でも役立つと思った。自分ができることが増えると思う」と話した。須磨区社会福祉協議会の大石和広事務局長は「阪神・淡路大震災と近年の災害の記憶と教訓を学ぶとともに、平時でも役に立つケガの手当法の実技も学べるようにしました。一人でも多くの方にボランティア活動にご参加いただきたいです」と語った。