総合防災訓練&防災フェア
2月1日(土)、市立垂水小学校体育館(垂水区日向)で、垂水区総合防災訓練が実施された。今世紀前半に発生する可能性が高いとされる南海トラフ巨大地震を想定し、発災初期の救護活動や避難所の開設を中心とした訓練に、同校の児童や保護者、地域住民が参加し、熱心に取り組んだ。(垂水区役所・小束山ふれあいのまちづくり協議会「小束山防災福祉コミュニティ」共催)
会場の体育館では垂水区地域自立支援協議会による手話体験や、垂水消防団員による防災紙芝居、垂水警察署による災害装備資機材の展示も行われた。垂水区役所による防災食の紹介コーナーも設置され、参加者は防災食の工夫や備えの大切さを学んだ。コープこうべ提供のブースでは、飴やチョコレート、ようかんなどを入れながら防災ポシェットを作る体験が行われ、長蛇の列ができた。担当していた黒谷静佳さんは、北淡震災記念公園で震災語りべボランティアガイドを務めており、「災害時はストレスがたまるので、好きなお菓子をローリングストックし、食べて補給しましょう」と呼びかけていた。
社会福祉協議会が設置した「災害ボランティアセンター」ブースでは、スライドを使用した「災害ボランティアセンターの設置・運営」に関する説明や、簡単なクイズを通じて防災への理解を深めた。同ブース内に設置された能登半島地震災害義援金の募金には多くの来場者が協力。寄せられた募金は、日本赤十字社を通じて「令和6年度能登半島地震災害義援金」として被災者支援に活用される。
参加者は、胸骨圧迫のコツや「電気ショック時以外は手を止めない」などのAED訓練、ケガに対する応急処置訓練を受け、熱心に取り組んだ。また、避難所開設・運営訓練として、説明書を見ながらダンボールを組み立て、簡易ベッドを作る体験も実施された。子どもたちは「丈夫だね」「寝心地が良い」などと感触を確かめながら楽しんだ。
参加した引地昊翔さん(小5)は「包帯をうまく巻くことが難しかった。相手の状態や気持ちを考えることが大切だと思った」と話した。小1から防災に関心を持ち、日頃から防災バッグの中身を点検し、備蓄に熱心という藤本湊さん(小5)は「AED救助の安全確認が新鮮だった」と話し、防災時の役割について意識を高めていた。
午後からは、垂水区文化センターで垂水防災フェアが開催され、長年にわたり垂水区の安全・安心なまちづくりに貢献した個人、地域団体、事業所に「たるみ賞」が授与された。さらに、県立舞子高等学校環境防災科には「震災30年特別功労賞」が贈られた。体験イベントのほか、お天気キャスターの蓬莱大介さんによる「地震・大雨の備え」をテーマにした講演も行われた。
若松謙一区長は「垂水区では昨年から震災30年事業として、たるみ観光大使のごしきまろも防災服に着替えて地域の防災訓練をやってきた。今日は総仕上げとして、さらなる防災意識を高める機会にしてほしい」と呼びかけた。
AEDの使い方、胸骨圧迫の体験
段ボールベッドの組み立て
消防団による防災の紙芝居