奥村龍聖さん、ダンスドリル世界大会へ!
彩星工科高等学校(長田区五番町)ダンス部3年の奥村龍聖さんが3月22日(土)、23日(日)にアメリカ・ロサンジェルスで開催される「ミスダンスドリルチームインターナショナルin USA」の出場権を獲得した。
同校ダンス部は昨年6月の関西大会を経て、7月に東京体育館で開催された「全国高等学校ダンスドリル選手権大会」に団体・個人部門ともに出場。奥村さんが個人部門の「ミスターダンスドリルチーム部門」で3位に輝き、世界大会出場を決めた。同部門はダンスのカテゴリーが幅広く、クラシックバレエやモダンダンスをベースとした演技が大半を占める中、奥村さんはブレイクダンス(ブレイキン)で出場。「ダンスのジャンルがまったく違うので上位を狙えるか不安はあったが、全力で踊った。世界大会は初めてなので本当にうれしい」と喜びを噛み締めた。
同大会には高校3年間挑戦し続けた。1年の時は関西大会個人部門1位で通過、創部初となる全国大会出場を果たしたが全国の壁は高く結果は振るわなかった。翌年は自身の慢心から予選敗退。最終学年となり今回に賭ける想いは強く、練習に打ち込んだ結果、個人のみならず団体ともに全国の切符をつかみ取った。残念ながら団体での世界大会出場は叶わなかったがチームの想いも背負い、世界へと挑む。
奥村さんは小学2年生からダンスを始めた。当時、テレビを見ながらよく踊っていたそうで母親から勧められたのがきっかけだった。ヒップホップから始まりロック、ポップ、ブレイクダンスなど週5日ダンススクールに通った。当時は習い事感覚だったが楽しかったと振り返る。好奇心旺盛だった奥村さんは友人から誘われてさらに和太鼓、少年野球、空手を一日に掛け持ちしながら小学校時代はすべての習い事を続けた。中学校に入るとダンスに絞り、変わらず週5日のレッスンをこなしていた。そんな中、コロナ禍が一つの分岐点に。学校が休校となり有り余る時間の中、自身を見つめ直し、より本気でダンスに取り組もうと決意。基礎練習に励んだことでダンスの幅が広がったという。「練習しないと上手くならない。努力を惜しまず突き詰めることで自信となった」と胸を張る。中学3年から「明石ブレイカーズ」に所属。高校入学後は部活動と両立させ、ダンス漬けの毎日を過ごした。
ブレイクダンスとは、アクロバティックな動きや地面を使った技が特徴で奥村さんの得意技は、空中で2回体をひねるという高難度の「2周ひねり」。ダイナミックな技は歓声がひと際大きく盛り上がるので楽しいと話す。日々更新中だという現在のオリジナル技は130を超え、すべてノートに書き記している。そして「格好いい」よりあえて「面白い」ダンスが自分のキャラに合っていると分析。「面白い動きをして見ている人を楽しませて盛り上げて勝ちたい。自分が良いと思うことを貫きたいのであえてその道を突き進む!」と力強く話す。取材中、常に笑顔の奥村さん。「『ハッピーダンサー』が自分のスタイル。楽しくいたいので、ずっと笑っている」と自他ともに認める笑顔の持ち主。まずは自分が楽しくないと始まらない。観客を飽きさせない構成や技の数々で会場を盛り上げる奥村さんのパフォーマンスは、見る人を自然と笑顔にさせる。
目前に控える世界大会では頂点を目指し、日々の練習に精を出す。春からは大学へ進学し、さらにダンスを学ぶという。「ダンスの楽しさを世界中に伝えられるダンサーになりたい」と目を輝かせた。
※世界大会の遠征費用をクラウドファンディングで受付中
“https://yellz.jp/detail/280218/project/297/”