西神ニュータウン研究会 パネル展「成熟する西神ニュータウン」
12月12日(木)~12月19日(木)、西区文化センター1階ギャラリー(西区糀台)にて西神ニュータウン研究会パネル展「成熟する西神ニュータウン」~西神ニュータウン研究会・大海一雄名誉会長のスケッチに見るニュータウンの姿~が開催され、好評のうちに展示を終えた。(主催/西神ニュータウン研究会)
西神ニュータウン研究会は2002年秋、神戸研究学園都市にある5大学・1高専の連帯施設(UNITY)で行われた公開講座『西神ニュータウンの建設と歴史』をきっかけに、西神ニュータウン(西神中央・西神南・研究学園都市)のことについて、今後もいろいろなことを知り、話し合いたいと翌年2月に発足。今年で22年目となる。
1982年(昭和57年)に西神ニュータウンはまちびらき、約40年が経過した。それに伴い「オールドタウン」と呼ばれているが、一方で街の活性化も計られ、研究会は西神ニュータウンが成熟した街・住み良い街の「ビンテージタウン」となることを目標とした支援活動を行っている。
同展は、研究会の紹介に始まり、第1回目から243回目までの講師による発表・意見交換が行われた例会の記録や、学生と地域の連帯を計ったイベント・出前会議の報告書、「おもしろMAP」を展示。「おもしろMAP」には「春日台・狩場台・竹の台の交番は実は上から見るとスペード・ハート・クローバーの型になっている」ことや、「プレンティに設置してあるジャズバンドのオブジェの端でベンチに座る猫の像は神戸市章の付いた首輪をしている」といった、普段何気なく目にしている街の造形やモニュメントの歴史などが紹介されている。研究会代表世話人の大塚映二さん(西区学園東町)は「おもしろMAP」の一部では、当時あった物が現在は他の建物に変わっているなど、西神ニュータウンの移り変わりを知ることができる。西神南のカインズホームの地にあった遊園地「アリバシティ神戸」など懐かしい思い出」と話した。
また、昨年の2月に亡くなった研究会創設時の代表世話人、そして、名誉会長を務めた大海一雄さんの遺品となる自筆スケッチの数々と、研究会の20年の活動実績もパネルで紹介された。大海さんが執筆した本も取り上げられ、震災後10年に執筆した研究会との共著「阪神大震災と西神ニュータウン」には県知事から感謝状が贈られたという。
パネル展の後半のスペースには、大海さんが残した街のスケッチの数々が一堂に展示された。「建築様式美をたずねて」のタイトルのもとに西神ニュータウンの「竹の台・シアトル村」、「西神南・マンションのカンボ広場」、「太山寺本堂」などをはじめ、趣味で訪れた各地の風景も描かれていた。
パネル展を訪れた男性(長田区)は「スケッチが細かく描かれていて、どんな方が描いたのか気になりました。また、太山寺などは以前に行ったことがありますがスケッチを見て、また改めて行ってみたくなりました」と感想を話した。
研究会副代表世話人の田淵靖弘さん(西区糀台)は「大海さんの遺品となったスケッチを見た時に、これは多くの方にぜひ見ていただきたいと思いました。そして、スケッチとともに、この研究会についても多くの方々に知ってもらう機会になればと」と今回のパネル展開催の経緯を話した。
研究会代表世話人(筆頭)の橋本彰さん(西区樫野台)は「これからも大海名誉会長の遺志を引継ぎ、西神ニュータウン研究会でさまざまな活動を行っていきます。興味のある方はぜひご参加いただきたい」と想いを話した。
大海一雄さんのスケッチ
西神ニュータウン研究会のメンバー