「ATSUMARU」講座 コミュニティビジネスコース 公開プレゼンテーション
12月17日(火)、須磨区役所(須磨区大黒町)にて、地域を楽しくするアイデアを発表する「ATSUMARU講座コミュニティビジネスコース公開プレゼンテーション」が開催され、22人が発表を行った。(主催/須磨区役所)
このイベントは、少子高齢化に伴い地域コミュニティが希薄化する昨今、自分の経験やアイデアを形にする方法を学びながら、地域活動を始める第一歩にしてもらおうと実施された「ATSUMARU講座コミュニティビジネスコース」の総まとめに位置付けられたもの。受講生自身が企画した事業のプレゼンテーションを行った。
当日に向け、受講生は「視点を変えてまちを見る」「自分のレア化と魅力発見」など8回の講座を受講しながら、地域活動の課題解決に繋がる事業企画書を作り上げた。
塩井悠子さん(須磨区)は「家事や育児に追われている女性の親子問題を糀・米粉を使ったまぜこぜクッキングで解決」と題して発表を行った。
自身の子育ての中でたくさんの人との関わりに助けられたそう。保育士であり、作ること、料理が好きなことを活かして「Handmade&kitchenいなほくらぶ」を立ち上げた。玉ねぎ糀や玉ねぎ染め体験を通して、親子にほっこりする時間を届けたいと語った。
服部哲也さんは「映画【チラシ】ミュージアム~好きなことを地域に活かす~」と題して発表を行った。服部さんは大の映画好きで1980年代からの映画のチラシを推定5千本分以上所蔵している。アート性も高いこれらのチラシが自宅に眠りっぱなしになるのは、あまりにもったいない、何かしら社会に役立てたいと、映画チラシミュージアムを作ることを思いついた。
古い映画をきっかけに高齢者も気軽に立ち寄れ、思い出に浸る場所ができれば。また、映画音楽コンサートや「予告編」上映会を行うことで世代間交流が生まれる効果があると説明。映画が制作された国の料理やお酒を囲んで草の根国際交流を映画発祥の地である神戸で行いたいとの思いも語った。
山本智恵子さんは「廃油をリメイク!手作りお掃除石けん」と題し、本来廃棄されるはずの油を再利用した石けんづくりを提案した。特産品の生産過程で捨てられてしまうものを使った「ご当地石けん」を作る提案も。例えば、玉ねぎの皮にはポリフェノールがたっぷり含まれているので肌の老化防止効果があることなどが紹介された。
須磨区高倉台で言語療育に携わる安居和輝さんはeスポーツ大会の開催を目指している。年間のべ4500人の子どもと関わる中でその保護者から「家の前に公園があるのに連れて行けない」「お祭りにいきたいけど並べない」などの悩みを聞き、障がいがあってもなくても平等に競い合い、楽しむことができるeスポーツ大会を行うことで共生社会を目指したいと訴えた。
発表を聴いた一般参加者から意見も挙がった。平瀬由久さん(須磨区月見山)からは「このような発表の場に場所はあるけど何をやっていいかわからない人、商店街関係者などを招いたら、アイデアがあり活動をしてみたい人とのマッチングができるのではないか」と事業の実現に向けた提案が寄せられた。