赤ちゃん先生プロジェクト
12月11日(水)市立横尾小学校 多目的室(須磨区横尾)で、NPO法人ママの働き方応援隊による乳幼児とのふれあい体験「赤ちゃん先生プロジェクト」が開催され、同校2年生41人が参加した。(主催/NPO法人ママの働き方応援隊神戸南校)
同プロジェクトは、赤ちゃんとその母親が教育機関や高齢者施設などに訪問し関わることで、赤ちゃんが引き出す共感力により学び・癒し・感動を感じ、共有することを目指す人間教育プログラム。この日は年3回開催の2回目。9月開催の1回目では「自分はどれだけ大きくなったかな」をテーマに、児童たちは赤ちゃんと比べることで自分自身の成長を実感し、育ててくれた保護者への感謝が芽生える授業となった。
2回目のテーマは「人として大切なことを赤ちゃんから学ぶ」。まずはじめに司会者から、気持ちを伝えるときに使う言葉には力があることが告げられた。言われてうれしい気持ちになるフワフワ言葉(「ありがとう」「大好き」など)と、嫌な気持ちになるチクチク言葉(「きらい」「あっち行って」など)があると説明。その後、児童たちの待つ教室に6人の赤ちゃん先生が入場し、3カ月ぶりの再会を喜んだ。司会者はフワフワ言葉とチクチク言葉を赤ちゃんに言ってみてと促した。児童たちからは「赤ちゃんにチクチク言葉を言うのは嫌だ」という意見や、「言ってみたら赤ちゃんが嫌な顔をした」という意見があがり、まだ話せない赤ちゃんに対しての声掛けでも、言葉の大切さを感じている様子だった。
ふれあいタイムでは、会場中を元気に歩き回る赤ちゃんと一緒について歩いたり、歌を歌ったりと、赤ちゃんとの時間を楽しんだ。吉田理乃さん(8歳)は「カーテンでいないいないばあをしたり、足を広げるとその下をトンネルみたいに通っていたのがかわいかった」と話した。小田なのはさん(8歳)は「お話はまだできないけど、ミルクが飲みたくて、口をパクパクして一生懸命伝えているところがかわいかった」と笑顔。山口和佳子教頭は「赤ちゃんが歩きまわっている時に、黒板の桟の下で危うく頭をぶつけてしまいそうになりました。すると一人の児童がそっと自分の手をその間に入れて、ぶつけないように気遣っている姿を見て、優しい気持ちが育まれていることにとてもうれしかったです」とにこやかに話した。
赤ちゃん先生の森千晴ちゃん(2歳2カ月)の母親である公佳さんは、自身も高校3年生の時に赤ちゃん先生の授業を受け、子どもが生まれたらプログラムに関わりたいと熱望していたそう。1カ月検診の翌日から取材日当日まで、180回以上参加しているという。森さんは「赤ちゃん先生の活動は、親にとっても子どもにとっても多くのメリットがあります。親は赤ちゃんがいても一緒に社会と関われるし、子どもはたくさんの人に愛情を向けてもらえる。そうすることで人見知りもしない、自己肯定感の高い子どもに成長してくれると思っています」と話した。
主催のママの働き方応援隊神戸校の森田直美さんは「産後、日中一人で家に引きこもりがちなママが赤ちゃんと一緒に外出し、社会とつながれる機会を持てることはとても意味があると思っています。教育現場におじゃますることで教育や社会のことに関心を向けるきっかけにもなっています」と話し、興味がある母親にはぜひ活動に参加してもらいたいと呼びかけた。
ママの働き方応援隊→https://www.mamahata.net
赤ちゃん先生と母親たち