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垂水区

垂水区在住 ペン画家 山田貴裕さん

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垂水区舞子台在住の山田貴裕さんは、大阪の貿易会社で翻訳業務に携わりながらペン画家として活動している。
描いているのは主に猫。ふわふわとした毛並みやつぶらな瞳を繊細で緻密なタッチで表現し、多くの人を魅了している。

幼いころから絵を描くことが好きだったという山田さん。父親の仕事の関係で5歳の時に渡米。最初は色鉛筆やクレヨンなどで人物や動物、風景を描いていたが、ある日の授業でマシュマロの色分けができず、自身が色弱だということに気付く。それからは、鉛筆で描くモノトーンの色調に魅せられるようになった。

10歳で帰国後、中学高校では美術部に入って学んだが、鉛筆画家を目指していたので、美大には進学せず、関西大学法学部を卒業した。ペン画家に転向したのは、「ボールペンを使ってみたら、白黒がはっきりして、しっくりしたから」と話す。

30歳の時に北野町の画廊で初個展を開いた。画廊を紹介してくれた女性から、飼い猫の『みいちゃん』をモデルにした作品を評価され「あなたは猫で頑張りなさい」と助言されたという。その後、ネコをメインに描くと導かれるように、個展やグループ展、国内外でのアートフェアで作品を発表する機会が増え、公募展でも受賞を重ねている。

ミリペンや油性マジック、鉛筆を巧みに使い分け、光と影や質感をリアルに描いた作品を鑑賞した人からは「今にも動き出しそう」「瞳に吸い込まれそう」との声が寄せられている。

また、コロナ禍ではデジタルとアナログの融合を試みた。そこで誕生したのが、『フェルメール猫』。フェルメールの代表作『真珠の耳飾りの少女』と自身のペン画『哲学する猫』を画像編集ソフトを用いて融合したオマージュ作品である。
山田さんの作品のユニークなタイトルや修正点は、3歳年下の妹がアドバイスしてくれるという。「妹はセンスがいいですし、一般人の視点で指摘してくれる貴重な存在ですね」と微笑む。

1月29日(水)から2月4日(火)まで大丸神戸店で開催されるグループ展「TIMELESS ARTIST〜時空を超える神戸のアーティストたち〜」の一人として参加する山田さん。「もっと『山田猫』が広がって全国の皆さんに届けられたら」と、今日も心を込めて制作に励んでいる。
◆ホームページ https://takasan.jimdofree.com
◆グループ展詳細 https://www.daimaru.co.jp/kobe/gallerytoart/schedule/#page-link10


フェルメール猫 (2020)


にゃん吉 (2023)


くるねこ (2013)

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