編集記事

その他の地域

部活から「KOBE◆KATSU」へ

記事 部活から「KOBE◆KATSU」へのアイキャッチ画像

「KOBE◆KATSU(コベカツ)体験会」が11月~12月に全10回開催され、市内の小学校5・6年生の児童約200人が参加した。(主催/神戸市、共催・運営/NPO法人KOBEジュニアハイスクールクラブ)

神戸市では、2026年度中に中学校の部活動を終了し、平日・休日ともに生徒が地域住民と活動する「神戸の地域クラブ活動」=「KOBE◆KATSU(コベカツ)」へ本格移行を目指している。地域移行への背景には、生徒数の減少による廃部や単独で試合に出場できない学校が大幅に増えるなど活動の選択肢の減少、さらには全国的に教員不足が深刻化する中で教員の負担軽減策として進められている。

同体験会は、地域移行の過度期に中学生になる現小学校5・6年生の児童や保護者に具体的なイメージを持ってもらおうと中学校部活動にはなかった新種目を中心に、とにかく楽しむこと「レッツ・エンジョイ!」をテーマに実施された。種目は、ラグビー、フェンシング、ボルダリングなどの運動系のほか、文科系では茶道、華道、クッキングなど、全10種目。

種目のひとつ、ヒップホップ体験会はフィッシュダンス音楽練習所(中央区)にて行われた。指導したのはヒップホップインストラクターのMINAさん。ビートの効いた音楽が流れる中、まずは全身のストレッチから始まり、ゆっくりと体をほぐした。腹筋や背筋など筋トレが終わると、体の一部分だけを独立させて動かすアイソレーションのレッスン。体は動かさずに首だけ前後左右に動かしたり、肩や胸の動きを練習。「耳を引っ張られるイメージで!」「肩甲骨を意識して!」と具体的なアドバイスをするMINAさん。続いて、さまざまなポーズやステップを教わり、順番に繋げていくと振り付けが完成。最後には全員がリズムを感じながら全身を使って体を動かし、思う存分ダンスを楽しんでいた。年長からダンスを習っているという播磨薫さん(稗田小6)は「振り付けが格好良かった!ダンスの幅が広がった」と気持ちよさそうに汗をぬぐった。山田菜々さん(本庄小5)は「分かりやすく教えてもらって楽しかった」と笑顔を見せた。神戸市教育委員会事務局係長の魚山純子さんは「現在の部活動にはなかった種目を含め、子どもたちが地域でさまざまな活動を選択できる仕組みづくりに取り組んでいます」と話した。

同体験会の運営に携わった「NPO法人KOBEジュニアハイスクールクラブ」は、中学校におけるスポーツや文化・芸術等の部活動の新たな在り方を創造し、子どもたちが活動を通じて、自立した人間になるためのサポートをしていくことを目的に2022年に設立。現在は6つのクラブ活動を実施しており、登録人数は約120人。今後、多種目の設置を検討中だという。

同法人代表の岩田哲也さんは地域の小学生のクラブ活動にボランティアとして長年携わっており、子どもたちが中学校に上がるタイミングで競技を続けられるか悩む姿を目の当たりにして「かけがえのない多感な時期に何かに夢中になって取り組める環境を整えてあげたい」と設立に至った。また「地域で生涯関わることのできる活動団体を目指し、地域住民だけでなく行政や企業、自治体、各団体とも協力して交流の場をつくっていきたい」と熱い想いを語った。

カテゴリー