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須磨区

須磨らしい未来を語る集い

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12月1日(日)、須磨区役所(須磨区大黒町)の多目的会議室にて、須磨で活躍する人材が集まり意見交換をする「須磨らしい未来を語る集い」が開催され、約100人が交流を深めた。(主催/須磨区役所)

同イベントは須磨区内で活躍する個人・団体に先駆的・特徴的な活動を報告してもらい、参加者同士の意見交換や交流を促すもの。須磨区の活性化や魅力向上に繋がる活動を期待して開催された。参加者は区内で活動する個人・団体・企業のほか、新たな活動の担い手としてNPOや学生等の関係者が招かれた。

活動報告は5件。パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社の仲宗根望さんは「神戸名谷ワークラボAOZORA」(菅の台)、「神戸名谷ワークラボSUMAile」(中落合)のセンター長。働く場と地域活性の場を提供する施設を運営し、新たな人の繋がりを生み出している。「カフェスペースや家庭菜園ができるスペースの提供、DIY教室の開催などで、誰もが得意なことを活かせる場所づくりをしていきたい」と語った。

次に神戸女子大学心理学部吉川祐介ゼミの学生2人が須磨駅前の空き家を改装して作られたシェアキッチン「SUMANOBA」を利用した活動について発表した。学生が消費者心理学を学ぶ一環で期間限定のカフェを週1回営業。仕入れから販売まですべてを担い、20代女性をターゲットとした商品作りにはフジッコやイスズベーカリーの協力を得た。「SNSにコーヒーがおいしかったと感想が書き込まれており、うれしかったです」と実感を込めて語った。

須磨海岸で定期的に「BOKETTOマルシェ」を開催する近藤英夫さんは、人の繋がりを生む仕組みを模索している。環境問題にも積極的に取り組み、マルシェではマイカップやマイ食器の持参を呼びかけゴミの削減に努める。マイクロプラスチックの海洋流出をテーマにしたドキュメンタリー作品の上映会では須磨海岸のビーチクリーンもセットで行ったと話した。

妙法寺で築200年の古民家をリノベーションした古民家カフェ「コトノハ」を営む小田さくらさんは、古民家裏にある竹林を活用して地域コミュニティの場を創出。地域の企業や団体と連携を取りながら、こども食堂をはじめ、世代を繋ぐ場づくりに取り組む。最近は特に共働きの家庭が多いこともあり、災害時、近くに大人がいない状況でも子どもが自分の命を守る行動が取れるよう、防災教育に力を入れている。「防災キッズ」の認定を受けた子どもたちが地域のイベントでほかの子どもや大人に向けて防災の知識を伝えていることを話した。

最後に「森のようちえんすまっこのもり」の澤井一紗さんは、自然の中で保育や教育を行う「森のようちえん」の活動について発表した。決まった園舎を持たず、畑や山、川、海、自然の中で五感をフルに使い思い切り遊ぶことで、自分で考えて行動する力と豊かな感性が育まれるという。このようなスタイルの「ようちえん」が増えてくれたらと訴えた。

参加者には活動エリアの近さや活動内容の近さなどでグループ分けされた席が用意された。発表後は登壇者も参加者と同じ輪に入り、意見交換が行われた。テーブルを順に回り、意見交換に加わった久元喜造市長は「この集いが日頃須磨区で活躍される方々の交流をさらに深め、須磨区を前に進めて行くのに良い機会となれば」と須磨らしい未来の展望に期待を込めた。

須磨区地域協働課の担当者は「初めての実施で、内容・方法やどのような方に参加いただくかなど一から検討しました。開催まで不安でしたが参加者の方から一定の評価をお聞きし、ホッとしています」と安堵の表情を浮かべた。

登壇者の一人、「コトノハ」の小田さくらさん

 

意見交換の場で話す仲宗根望さん(左)、久元喜造市長(中)

 

各テーブルでの意見交換

 

区内にある就労支援事業所の物品販売も行われた

 

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