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こうべ環境博覧会『かんぱく2024』

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10月19日(土)、ふたば学舎(長田区双葉町)にて、地球環境を楽しく学ぶイベント「こうべ環境博覧会(かんぱく2024)」が開催された。(主催/神戸市)

みんなで「持続可能な社会」や「循環型社会」について、楽しみながら考え、環境活動の輪が広がるきっかけとなることを目的に開催された同イベントでは、環境に配慮したさまざまな取組みをしている企業・団体が出展。環境問題を楽しく学べる工夫がされたワークショップに家族連れや多くの人が参加した。

竹林整備を目的に、食材・道具としての竹の利活用に取り組んでいる淡河バンブープロジェクト(北区淡河町)のブースでは竹ヒンメリ作りのワークショップが行われた。ヒンメリとは北欧でクリスマスの装飾として幅広く楽しまれているもので、一般的には麦わらを繋ぎ正八面体に組み立てたもの。同プロジェクトでは麦わらを竹に置き換えた。垂水区舞子から家族とともに訪れ、参加した藤木乃瑚さん(小2)と森田愛唯さん(小2)は、スタッフに指導を受けながら、糸の色を選び、集中して作品を作り上げた。「竹に糸を通すのが難しかった」と語るも、完成した作品を手に、藤木さんはリビングに、森田さんは台所に飾りたいと満面の笑顔を見せた。

旭化成ホームプロダクツのブースでは「ジップロック」をリサイクルした傘を使ったワークショップが行われた。同社では家庭で使い終わったジップロック を回収し、熱を加えて溶かし固めペレット化、熱を加えることで薄いシート状にし、傘の生地に再生している。学園都市から姉妹で参加した因幡美月さん(6歳)、陽菜ちゃん(3歳)は、透明のシートに思い思いのシールを貼って、世界でひとつの自分だけの傘を楽しく作り上げた。

外来生物展示センター(長田区苅藻島町)のブースでは在来種のタヌキと、タヌキと生息環境が近く競争が生じる外来種のアライグマのはく製が展示された。一見よく似ている両者だが、尾や顔の模様の違い、足の指の長さの違いなどを実際に見て比べることができた。「外来生物展示センターは、神戸の豊かな生物多様性の脅威となっている外来生物の生体やはく製・標本を多数展示し、わかりやすく解説している無料の施設。多くの方にご来場いただきたい」とセンターを担当する池田隆さんは語った。

3階の講堂では、こうべキエーロセミナーと題した講演にキエーロ考案者である松本信夫さんが登壇した。キエーロとは土の中にいるバクテリアの力で生ごみを分解するコンポストの一種。午後からは実際にりんご箱を使ってキエーロを作るワークショップも行われ、親子でキエーロ作りに取り組む姿も見られた。

会場の4カ所には神戸大学の学生が中心のグループ「こべっコリー」が「みんなどーしとん?BOXスタンプラリー」を設置。来場者の環境に関する考えを調査した。投票方法はユニークで、例えば「エシカル消費で意識しているものはどれ?」の問いには「①フェアトレード商品」「②地産地消の商品」「③エコな商品」「④被災地の商品」の投票用の透明ペットボトルが並び、その中に参加者がペットボトルのフタや廃材を投入する形がとられた。

神戸市の今西正男副市長は「かんぱくが環境について自ら考え、活動の輪を広げるきっかけになってほしい。海、山、農村、温泉など神戸の恵まれた自然環境を次世代につなげていきたい」と来場者に訴えた。

「こべっコリー」の「みんなどーしとん?BOXスタンプラリー」

外来生物展示センターから、剥製のタヌキ(左)とアライグマ(右)が出張

土の中にいるバクテリアの力で生ごみを分解するコンポスト「キエーロ」

 

親子で「キエーロ」づくりに挑戦

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