こども食堂フェスティバル×Reward Market 食べて学んでみんなの防災
10月27日(日)、須磨区の名谷駅前広場にて、「こども食堂フェスティバル×Reward Market」が開催され、約4千人の来場者で賑わった。(共催/Reward Market実行委員会・コトノハ)
同イベントは「こども食堂ってどんなところ?」を知ってもらおうと、対象の世代に近い新人作家を応援するハンドメイド製品の販売・体験イベントReward Marketに合わせて開催された。テーマには「みんなの防災」を掲げ、防災に強いまちづくりを楽しみながら学ぶ仕掛けが用意された。
注目は「防災キッズ」による防災グッズの紹介と実演。防災キッズは「コトノハこども食堂(須磨区妙法寺)」を利用している小学生がメンバーであり、9月に行われた防災イベント「まなぼうさい」やこども食堂開催時に指導を受け、練習を重ねた。監修に当たったのは北区山田町のキャンプ場「KOBE川の音ベース」の管理人である安田典充さん。災害時の大きな問題となるトイレについて、災害用トイレの水分が吸収される工程などを実演して見せたり、百円ショップで手に入る防災グッズの紹介では、記憶ゲームをして、家庭に備えておくべき備蓄品がなぜ必要か、どのくらいの量が必要かなど工夫を凝らして説明した。
防災キッズの保護者は「いつもは恥ずかしがって人前に立つのが苦手な子が、自分なりに考えて頑張っている姿を見て、うれしかった」と子どもの活躍ぶりに驚いていた。
会場内8カ所のブースに設置されたスタンプラリ―では災害クイズが設けられ、すべてのクイズに答えると抽選会の引換券となった。抽選でOSシネマズの映画観賞券を引き当てた須磨区の成田紗帆さん(小2)は「ママと一緒にコナンを観に行きたい」と喜んだ。
ステージではダンスや吹奏楽の演奏、神戸市立須磨翔風高等学校和太鼓部「大地」の迫力あるパフォーマンスに多くの来場者が足を止めて聞き入った。また、神戸市が女性の多様な生き方を応援する「私らしさプロジェクト」の第1回トークセッション「ママでも『やりたい』を諦めない!」が行われた。イベント主催者、ブース出店の女性作家が登壇し、イベントを開催するようになったきっかけや抱える悩み、どういった支援が必要かなどをテーマに女性ならではの視点で話が展開された。
また、地域活動紹介ブースではNPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトによる水陸両用アウトドア車椅子「ヒッポキャンプ」の試乗体験会が行われた。企業ブースではノア神戸名谷校によるテニス体験が人気を集めた。抜群のフォームでコーチを唸らせた須磨区の十川結衣さん(小6)は「体験をきっかけにテニスをしたいと思う人が増えたらいいな」と笑顔を見せた。
こども食堂ブースでは須磨区、西区、長田区、兵庫区から出店のこども食堂がおにぎりやスープを提供。さつまいものツルを使った輪投げコーナーがあったり、スタッフがハロウィンの仮装で盛り上げたりと、多くの笑い声があちこちから上がっていた。
防災エリアでは、カリモク家具による家具の製造過程で出てくる端材を使って工作するワークショップが開かれた。木製家具の工場からさまざまな大きさ・形の端材が集まり、参加者はその中から好きなものを手に取り、思い思いに組み立てていく。須磨区の中丸葵葉さんは1時間かけてお城を作り上げた。真剣な眼差しで屋根の色を決めたり、模様を描き「楽しかった」と小さな大工さんは大満足の様子。
イベントを主催した山口マスミさんは「防災スタンプラリーでは震災から30年の節目を前に皆さんの関心が高まっていることを感じました。今回学んだことが日頃からの防災・減災の一助になればうれしいです。また、このReward Marketが地域のコミュニティになり、発信の場になるように、今後も頑張っていきます。応援よろしくお願いします」とさらなる夢に向かって意欲的に語った。
押しているのは、水陸両用アウトドア車椅子「ヒッポキャンプ」
神戸市立須磨翔風高等学校和太鼓部「大地」の迫力あるパフォーマンス
トークセッション「ママでも“やりたい”を諦めない!」