すてきな夫婦
名谷、西神中央に店舗を構える「大野写真室」オーナーの大野昇さん(76歳)、峰子さん(76歳)。写真館は二人の気さくな人柄で数世代にわたって愛されている。
「男は3歩下がって後ろを歩く。必要なときに声を掛けられる距離感が大切」と話し始めた昇さんに「ずっとわたしが3歩後ろを歩いて来たんだけど!」とすかさず返す峰子さん。二人三脚で店を切り盛りしてきた夫婦ならではの掛け合いである。
二人は大阪の勤務先で出逢い、社内恋愛の末に結婚した。当初、長距離ランナーとして松下電器に入社した昇さんだったが、けがをきっかけに転職し峰子さんに出逢う。峰子さんはカメラマンとしてキャリアを積んでいた。見染めたのは昇さんの方で出会って6カ月でプロポーズ。独立志向だった昇さんは「この人は、独立してもやっていける人だな!」と直感したそう。お互いに母一人、子一人という似た境遇にも惹かれ入籍。結婚記念日は6月1日【写真の日】というのも、この夫婦ならでは。
結婚を機に神戸で独立・開業した当時は仕事が忙しく、子どもの学校行事や進路相談も出席できなかった。それでも「この仕事が好きだから辛いと思ったことはなかった」と話す。
4年前の金婚式には初めての家族旅行が実現。娘たちがサプライズ企画をしてくれたと伊弉諾(いざなぎ)神宮での記念写真を手に取った。家族が揃いコテージでの一泊旅行を満喫したと笑顔の二人。
「子どもたちは遠く離れて暮らしていても、孫の七五三や成人式には『写真を撮って』と帰って来てくれます」と峰子さんは子どもたち、孫たちのアルバムを開き目を細めた。仕事場のデスクの棚にも家族の写真が所狭しと並んでいる。
写真館にも3世代で通う常連客が多い。「赤ちゃんから知っている方が新たな家族を連れて、この店に来てくださるのが本当にうれしい」と店を続けてきた喜びを噛みしめる。
夢はまだまだ、事業を大きくして100歳まで働きたいと意欲的。峰子さんは3年前から「仲人士」の資格を取って仲人業もスタート。これからも少しでも多くの方を笑顔にしたいとにこやかに話した。
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