「神戸外大魅力発信事業」CITIZENS CHAT CAFE
9月28日(土)神戸市外国語大学(西区学園東町)にて学生が企画運営する国際交流イベント「CITIZENS CHAT CAFE」が開催され、国際交流や英会話に興味を持つ市民50人が集まり交流した。
神戸市外国語大学(以下、神戸外大)は国内唯一の公立外国語大学として、地域貢献に力を入れており、2017年からはじめた「神戸外大魅力発信事業」を推進。高度な外国語能力と国際的な知識を備えた学生の能力を生かした活動を学生主体で行ってきた。
本イベントは、地域住民と在学する留学生・日本人学生が英語で気軽に会話する場を提供し、国際都市神戸における多文化交流の促進を目的としてこの日が初開催となった。「母からのすすめで姫路から友人と参加した」と話す小松倫子さん(高3)は海外が好きな母の影響で小学4年時から英会話教室に通っていたそう。コロナ以前はヨーロッパを中心に海外を旅していたという女性は「偶然情報を知って、キャンセル待ちだが申し込んだ。前日に空きが出て参加が叶いました」と、海外への関心の高い参加者が目立つ。
副学長モンセラット・サンスさんからイベントの趣旨とルール説明、スタッフを務める学生が紹介された。ルールには学生を含めお互いに敬意を持ってコミュニケーションを図ること、政治・宗教・家庭の事情などセンシティブな話題に関する議論は避けて全員が楽しめる場とすること、積極的に会話に参加することなどが盛り込まれている。各テーブルに6人程度が着き、自己紹介からスタート。進行役に神戸外大の学生を配置し、会話はすべて英語で進行される。
テーマはSDGs。「ZERO HUNGER(貧困をなくそう)」「CLIMATE ACTION(気候変動に具体的なアクションを)」など17の目標から各参加者が興味のある項目について自由に意見を述べ、進行役の学生が他国の状況を付け加え会話を膨らませる。年齢もさまざまな参加者は話し手の顔をしっかり見ながら真剣な表情で言葉に耳を傾けていた。最年少参加は小学4年生。キッズテーブルで学生と単語ゲームで遊びながら加わった。
運営スタッフのリーダー小池春伽さん(神戸外大4年)は学内で声を掛けられて参加。スタッフ集めや告知ポスター掲示に走り回ったが「募集してすぐに満席になり、関心の高さが窺えます。期待に応えて回数を増やしたい」と意欲を見せた。
学生をまとめるラジブ・クマル・シン先生は筑波大学在任中に同様のイベント開催経験がある。「神戸はブラジル移民出港の地。本校でも必ず盛り上がると確信がありました」と喜びを滲ませた。
サンス副学長は、コロナ禍前の2019年度調査で日本人学生の海外留学経験者が3・6%の割合に留まる中、神戸外大ではその割合が67%を超えていたことを踏まえ「本学には豊富な海外経験と知識・視点を持つ学生が多数在籍しています。世界に目を向ける人材を地域のために役立てられたら」と想いを語った。