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須磨区

レコード鑑賞会

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2019年2月27日号【須磨区・西区版】掲載

1月17日(木)学園東地域福祉センター(西区学園東町)で「レコード鑑賞会」が開催された。  年に1度、学園東町ふれあいのまちづくり協議会と学園シニアクラブは、共催で工夫をこらした交流会を企画している。今回は家に眠っている古いレコード(7インチシングルレコードまたはLPレコード)を持参し曲を聴きながら楽しく交流しようというもの。参加者たちは思い思いのレコードを持ち寄り懐かしいアナログの音に興じた。1曲かけるとその曲を選んだ理由やエピソードを話していく。持ち寄った曲はクラシック、ジャズ、演歌、タンゴやギターとバラエティに富みそれぞれの曲が紹介された。

LPレコードに比べて中央の穴が大きいためドーナツ盤と呼ばれたシングルレコードで、ハニー・ナイツの「ふりむかないで」を持参した吉野篤子さん(学園東町)は、この曲が発売された当時(昭和46年)は夫の転勤で札幌に住んでおり「今と違って50年近く前は北海道に行く、なんて地の果てに行く心細さがありました」と笑う。この曲は歌詞にいろいろな地名が出てくるため、ふるさとを懐かしく思い買い求めたという。当時シャンプーのCMに使われた曲でもあり覚えている参加者が多く「曲名通り、最後に女性がくるりと振り向くシーンが印象的だった」と鑑賞しながら当時のことを振り返り懐かしんだ。

松本明さん(同)は亡き妻を忍び、五輪真弓の「恋人よ」にまつわる思い出を話した。「これは妻が好きだった曲。今は恋人募集中といいたいところですが、あちらからのお迎えのほうが先かも」と笑って話した。小林康人(やすんど)さん( 同)は西部劇が大好きでアメリカの西部劇映画「帰らざる河」(1954年)のLPレコードから映画の中でマリリン・モンローがギターを弾きながら歌う曲のオーケストラ版を紹介。レコードジャケットの中から当時購入した店の領収書が出てきて「昭和44年1500円で購入。たしか小学生の学習雑誌が200円くらいだったので、今の価値だといくらくらいするんでしょう?」と参加者を驚かせた。

同じように映画を見てレコードを買ったという人も多くダスティン・ホフマン主演の青春映画「卒業」(1967年)でサイモン&ガーファンクルが歌った「The Sound of Silence」がかかると参加者からは「若かった頃を思い出す」と声が上がった。トム・ジョーンズの「デライラ」を持参し「昔、NHKで、トム・ジョーンズ・ショウが放送されていて、よく聴きました」と話すのは岩本正則さん(同)。参加者たちは各々の思い出とともにその曲が流れていた頃を懐かしみながら、思いを共有する心地よい時間となった。

レコードは盤を回転させ音溝に針を走らせ音を再生するが、レコードによって回転数に種類がありプレイヤー側で回転数を設定する必要がある。途中、回転数を間違えてかけてしまい「あれ、ちょっと速くない?」と慌てるハプニングや、何度も聴いたレコードは溝がすり減り針飛びやバチバチっと音がするなど、レコードならではのアクシデントもあった。参加者はそれさえも懐かしく感じ入っていた様子で「レコードが好きで昔働いてようやく買った1枚を大切に聴いた」「今でもレコードプレーヤーはありますが、針がなくて聞けなくなっていたので、今日は久しぶりに聴けて楽しかった!」など口々に話した。

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