親子の学び教室「花育~お花となかよし~」
9月10日(火)、北須磨文化センター3階和室2・3(須磨区中落合)にて親子の学び教室「花育~お花となかよし~」が開かれ、事前申し込みをした9組の親子が参加した。
親子の学び教室は幼児(概ね1歳から3歳まで)とその保護者を対象に、各区ごとに毎回異なるテーマで年間6~7回開催されている。
今回の講師を務めたのは華道家 嵯峨御流正教授 子ども花育インストラクターの笹川文甫さん。笹川さんは、いけばな教室を開くほか、コミスタ神戸(中央区)で市民講師をしている。教室は「花育(はないく)を知っていますか?」と笹川さんから参加者への問いかけで始まった。「食育」や「木育」は聞き馴染みがあるが「花育」を知っている参加者はいなかった。笹川さんは「花育とは、花を使い子どもの心を育むもの。種から花を育てて世話をする優しい気持ちを持ち、花のアレンジで子どもの心を育て、また枯れた花を知ることで生命の別れについて学ぶことができる」と解説。幼児期から12歳までの心の土台を作るゴールデンタイムにおける「自己肯定感」に影響するとも話した。
続いて笹川さんによるエプロンシアター「はらぺこあおむし」が始まった。参加者の子どもたちは静かになり、夢中で見入っていた。子どもたちに手伝いを求めるなど参加型で、あおむしが大きな蝶に成長する場面では子どもたちはフェルトでできた蝶の羽を広げ楽しんでいた。
その後「花育」、花をいける作業が行われた。まず、配られた器に親子各自でシールなどを貼って飾りつけし、オアシス(給水スポンジ)を器の中に入れ、花をいける準備をした。用意されたひまわり、千日紅、百日草やユーカリなど色とりどりの花でいけばなを始めた。笹川さんは「今日の主役は子どもです。子ども直感で心のままに好きなようにいけてもらうことが大切」と呼びかけた。子どもたちは好きな花を選び、オアシスに刺し、いけていった。皆が初めての作業を楽しんでおり、勢いよく花を何本も刺していける子もいれば、一輪ずつゆっくり刺す子もいた。花を全部いけ終わると、敬老の日が近いこともありプレゼントにもなるように、用意されていた折り紙でできた亀と鶴を自作の生け花に飾りつけた。作品が出来上がると、母親たちは子どもに「上手にできたね」や「きれいなのが作れたね」など言葉をかけ、作品と子どもをスマートフォンに収めていた。最後は全員で自作の作品と一緒に集合写真を撮影。
9カ月の娘いろはちゃんと参加した母親の水澤玲さん(灘区)は「初めて聞く花育に興味があり参加しました。娘も自分も普段あまり見たことのない、いろいろなお花と触れ合えて良かったです」と笑顔で話した。白川台から2歳の娘と参加した母親は「家ではなかなかできない『いけばな』ができて良かったです。娘はいろいろと頑張って作業をしてくれました」と話した。
笹川さんは「小さいお子様も集中して楽しんでくれて良かったです。まだいけるのが難しい子は花びらをちぎって遊んだり、揺らして遊んだり、五感を使って楽しんでもらうことができて良かったです」と話した。