ぐるり須磨
9月21日(土)、須磨寺 祈りの回廊・亜細亜万神殿(須磨区須磨寺町)にて「ぐるり須磨」が開催された。(主催/ぐるり須磨寺実行委員会)
「ぐるり須磨」は、お金を介さない物々交換を楽しむ場として、毎月弘法大師のご縁日である21日に開催されている。(1、2、7、8月は休み。雨天中止)
「ぐるり」とは自分が不必要になったものを、今必要としている誰かに繋ぐリレーで、不要な消費やごみを減らし、愛のある循環をしていこうという取組み。発起人はアパレル会社の株式会社ワンピース、取締役会長の久本和明さん。100年後の未来のために、不要な消費を減らしながら、より生きやすく、より幸せを感じる社会にしていきたいと活動を始めた。
「モノを捨てない。作りすぎない。シェアして楽しむ」というぐるりの活動に共感する人の輪は全国に広がっており、現在では北海道から沖縄まで各地で自主開催されている。
70年以上、毎月ご縁日に参拝しているという伊藤多佳子さんは、「昨年、こちらでいただいた緑の麻のワンピースは、今年の夏のおでかけの時に何度も着させてもらいました。オシャレが楽しめてうれしい。毎月ここに来るのが楽しみ」とぐるりで見つけた黒のワンピースを着こなし、ほほ笑んだ。
長田区の女性は、明石で開催されたぐるりに参加したのがきっかけで、須磨寺や三宮で開催時にも訪れているという。母親が裁縫好きで、自宅にたくさんの手芸用品があり、不用となったそれらをぐるりに持ち込み、介護用の花柄のエプロンや食器と交換。介護施設を利用する際にエプロンを使用すると、ほかの利用者にエプロンを褒められることが多く、母親もとても喜んでいるそう。また、食器を食卓に出すと、息子が気づき「食器の趣味変わったの?」と聞くので、ぐるりの取組みを説明したところ、自分が不用になったものを集めて提供してくれたと話した。
出井明日香さん(須磨区)は娘の海香ちゃん(1歳3カ月)と参加。新品のストッキングやプラスチックケースを持ち込んだという。おもちゃコーナーで海香ちゃんが夢中になった輪なげのおもちゃとうさぎのポシェット、長袖の子ども服と交換した。出井さんは、「不用なものをありがとうの気持ちでお譲りし、今必要なものを譲っていただけるのは、とてもありがたいです」と話した。
ボランティアスタッフの三好由貴さんは「リサイクルショップに持って行っても、まだきれいなのにブランド品ではなかったりするものは受け取ってももらえませんでした。まだ使えるものが、必要な人の手に届いてほしいという想いで活動を続けています。不用になったら、すぐ捨てるのではなく、必要な人に譲るという選択肢があるということをもっと知ってもらい、ごみを減らして、みんなで循環できる社会になってほしいと思います」と語った。
ぐるり須磨 インスタグラム
ボランティアスタッフ