毘沙門山妙法寺「地蔵盆and盆踊り2024」
8月23日(金)、毘沙門山妙法寺(須磨区妙法寺)で「地蔵盆and盆踊り2024」が開催され、のべ500人ほどが参加。61年ぶりにやぐらを囲み夏の夜を楽しんだ。(主催/妙法寺、やぐらの会)
このイベント実施のきっかけは、今年7月27日に開催された板宿盆踊り。「やぐらの会」によるやぐらを実際に見た妙法寺の住職・加門知竜さんが、やぐらの会の理念に共感。「ぜひ妙法寺でもやぐらを!」と依頼し、昭和38年(1963年)以来となる妙法寺の盆踊りが実現した。
「やぐらの会」は、株式会社建工101(須磨区)とスマートテック株式会社(垂水区)の2社が合同で、地域活性と建設業を憧れの職業に!の思いから今年結成。建築業の技術を生かし、やぐらを軸に古き良き時代と現代を融合させた夏祭りの企画・運営・盆踊りの復活を進めている。「建築ってこんなことも出来るんだ!」と若い世代に知ってもらう狙いもあると話す。
イベント当日は午後3時から地蔵盆に合わせて子どもたちへお菓子の配布があった。予定していた200個を上回る250個が無くなる盛況ぶりだった。同時に、妙法寺内の各地蔵尊で順にお勤めが行われた。加門住職は「寺という特性を生かして、季節ごとの行事を地域に根付かせたい」と模索していたタイミングでやぐらの会を知ったという。「地域で何かやってみたい!と想いを持った人が集まる場で〝地域にあったらええもの〟というテーマで話したことがありました。その中で地蔵盆や子ども相撲など、昔やっていたことを今に繋いでいけたらいいなと考えていました」と、以前から構想を重ねていたそう。
午後5時からは須磨の非公認キャラ〝あやぼう〟こと綾鳥さんによる子ども向けの歌のショーが行われた。6時から地元ボランティアによる4人の踊り手が先導し、盆踊りがスタート。キッチンカー、縁日、屋台の出店も並び賑やかな一夜となった。
現在、妙法寺近郊は高齢化が深刻な状況に置かれており、地元に誇りを持てていないのではと加門住職は話す。「故郷への思い出があると、人は帰りたくなる。祭りや年間行事を絶やさないことで、巣立った後でも故郷を忘れずにいてもらえる環境を作れたら」と加門住職。今後のイベント開催などの企画も進んでいるという。「日曜日の朝は、寺のお勤めが始まるまで時間がある。そこで午前9~10時の朝ごはんの会を考えています。地域ボランティアの協力が得られれば、そのまま子どもたちに場所を開放することもできる。まずは、ここに地域の居場所があることを知ってもらえたら」と地域への想いを語った。
妙法寺 加門住職
(左から)やぐらの会の今井真太郎代表と太田勇太副代表